思惟ちゃんと式神的な巨大ロボット

健野屋文乃(たけのやふみの)

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3章 12人の思惟

12話 蒼い龍と青い花火と・・・

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大きな爆発音に、街の人は外に出て、
夜空を見上げた。

見たことがない種類の青い花火が上がったかのように、
夜空は青く輝いて、それは、とても美しい輝きだった。

それを蒼い龍が巡航ミサイルを、
撃ち落としている光景だと知る者は、
ほんの僅かなのだろう。

里山旅館の一室で、
中野綾香は青く輝く夜空を、
動画に納めていた。

夜空のショーは、数分で終わった。

綾香は旅行用のロードマップを広げ、
じっと眺めて、印をつけた。

どこかに基地があるはずだ。
多分、地下にあるのだろうが、
地中探査レーダーで地道に探すしかないのか?
かなり広い街だ。綾香は気が滅入った。

赤いキャリーバックに内蔵された、
地中探査レーダーを確かめた。

「ひたすら歩くか・・・」


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「石室?」

もっと科学的で
機械的な物を想像していたニッキーは呟いた。

チーム・南の島の思惟たちが、
会璃(あいり)に、連れられて入った部屋は、
4畳半くらいの茶室サイズで、壁は石で出来ていた。

壁に割れ目が見えないという事は、
部屋自体が大きな石そのものなのかも知れない。

中に入るとひんやりとして、
石の壁が熱と音を吸収していた。

部屋の中央には、
人が1人入れるくらいの石で出来た箱があった。

「思惟オリジナルの時は、
こんな部屋には来なかったような気がするんですが・・・」

ニッキーの問いに、会璃は返答した。

「姫様と姫様の乗る神将級があれば、その場で出来るのですが、
姫様は、現在お忙しいので・・・今回は、ここで・・・」

多分、この石で出来た箱に入れって事なのだろうけど、
どう見たって棺桶にしか見えないんだけど・・・
かなり怖い・・・・ニッキーは躊躇して、他の思惟を見た。

裸族のすっぽん思惟は、目を輝かせながら。
「私、一番でいいですか!」
会璃は、「どうぞ」と涼しげな表情で微笑んだ。

ニッキーはちょっとほっとした。



つづく 
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