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3章 12人の思惟
11話 戦うお姫さま
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黄金の甲冑を纏った使鬼・燎(かがりび)は、
地下基地のカタパルトを滑走した。
全身に、Gがかかり、
恐怖と闘争心が入り混じった感情が、
意都の心を満たした。
地下基地のトンネルを抜けると、
夜空は、清々しく晴れ渡っていた。
ちょうど街の中心地点に到達すると、
使鬼・燎(かがりび)は、羽を広げ羽ばたかせた。
羽ばたいた時に感じる軽くとふっと浮く感触が、
意都の体に伝わってきた。
好きな感触。
街を薄い琥珀色の幕が覆った。簡易結界だ。
東の夜空が、目映(まばゆ)く光った。
結界を突破するために放たれた敵の爆雷だ。
時間を重力波で僅かにゆがめて作られた山脈上に張られた結界。
その結界を、巡航ミサイルが突破するのに要する時間は5分。
残りの神将級使鬼3体がこの空域にいるはずだが、
視認できるのは1体のみ。
それぞれの使鬼の五感が、身体に伝わってきた。
鬼の凶暴性を秘めた感覚が、心の闇を刺激した。
嫌いじゃない感覚。
意都はこの空域全体をイメージし、それぞれに作戦イメージを送った。
神将級使鬼に、言葉を使わず自分の意思が伝わる感覚は心地良い。
おしゃべり100時間分の快感と言っても良い。
結界を突破し音速に加速した巡航ミサイルに、
各所の機関砲から琥珀色の弾丸が発射され、
夜空に閃光と爆音が響いた。
そして、待ち構えていて巨大な蒼龍の放つ青い炎が、
夜の街を青く照らした。
迷彩の為、飛翔する蒼龍そのものの姿は見えない。
それがいっそう街を、怪しく照らした。
飛翔する巨大な蒼龍の、その弾力のある尾が、
ミサイルにぶち当たり、ミサイルを山脈の山肌に叩き付けた。
大きな衝撃音と震動に、
目を覚ました街の各所で明かりが灯った。
「巡航ミサイル相手に、気合いれすぎ・・・」
意都は苦笑した。
つづく
地下基地のカタパルトを滑走した。
全身に、Gがかかり、
恐怖と闘争心が入り混じった感情が、
意都の心を満たした。
地下基地のトンネルを抜けると、
夜空は、清々しく晴れ渡っていた。
ちょうど街の中心地点に到達すると、
使鬼・燎(かがりび)は、羽を広げ羽ばたかせた。
羽ばたいた時に感じる軽くとふっと浮く感触が、
意都の体に伝わってきた。
好きな感触。
街を薄い琥珀色の幕が覆った。簡易結界だ。
東の夜空が、目映(まばゆ)く光った。
結界を突破するために放たれた敵の爆雷だ。
時間を重力波で僅かにゆがめて作られた山脈上に張られた結界。
その結界を、巡航ミサイルが突破するのに要する時間は5分。
残りの神将級使鬼3体がこの空域にいるはずだが、
視認できるのは1体のみ。
それぞれの使鬼の五感が、身体に伝わってきた。
鬼の凶暴性を秘めた感覚が、心の闇を刺激した。
嫌いじゃない感覚。
意都はこの空域全体をイメージし、それぞれに作戦イメージを送った。
神将級使鬼に、言葉を使わず自分の意思が伝わる感覚は心地良い。
おしゃべり100時間分の快感と言っても良い。
結界を突破し音速に加速した巡航ミサイルに、
各所の機関砲から琥珀色の弾丸が発射され、
夜空に閃光と爆音が響いた。
そして、待ち構えていて巨大な蒼龍の放つ青い炎が、
夜の街を青く照らした。
迷彩の為、飛翔する蒼龍そのものの姿は見えない。
それがいっそう街を、怪しく照らした。
飛翔する巨大な蒼龍の、その弾力のある尾が、
ミサイルにぶち当たり、ミサイルを山脈の山肌に叩き付けた。
大きな衝撃音と震動に、
目を覚ました街の各所で明かりが灯った。
「巡航ミサイル相手に、気合いれすぎ・・・」
意都は苦笑した。
つづく
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