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3章 12人の思惟
2話 超思惟合体!
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あみは、仮女将の継母の代わりに、
フロントでお仕事中。
その愛想の良さは、ものすごく評判が良く、
封鎖事件で、暗い雰囲気の街にとって、
それは癒しの明るいニュースだった。
ただ封鎖事件後、厳しい旅館経営的には良いのだが、
あまり思惟の評判を上げ過ぎると、
あみ以外の思惟が、女将をやるときに、ちょっとツラい。
あみが、着物を着て、いそいそと歩く姿は美しく、
日本旅館の風景に馴染んだ。
しかし、他の思惟が、それをやると、どこかぎこちなかった。
「天職ってあるよね」
「そうだね」
女将の間の居間では、
チーム・北の島のαとβが、
2人並んで、お茶と羊羹を食べていた。
別に並ばなくても良いのに、つい並んでしまう。
なんか落ち着くのだ。
同時に羊羹を口に運び、同時にお茶を口に運ぶ。
さすが同じ思惟!とはもう驚く事も無くなった。
油断してると、まったく同じ行動をとってしまう。
もしかしたら、このまま1人の思惟に、
戻るんじゃないかと期待してしまう。
「羊羹、美味しいね」
「そうだね」
あみが、「おやつに♪」と、
女将修行で忙しいのに、
わざわざ持って来てくれた、羊羹だ。
「良い娘だよ」
「ホントだよ」
αとβの目の前では、スポブラを着た璃琥が、
クッションのサッカーボールで、リフティングをしていた。
「私たち、リフティングなんて出来たっけ?」
「5回ぐらいなら出来たような・・・」
璃琥のリフティングは、50回は超えていた。
「やれば出来る子だったんだね。私たち・・・。」
「璃琥ちゃん見てると、自信が着くよね。」
αとβは、緑茶を飲み干すと。
「しかし妖精、捕まらないね」
2人は同時に言った。
旧館に設置した妖精捕獲器には、
何も入っていなかった。
テーブルに置かれた妖精捕獲器内には、
可愛らしいミニチュアの家具が並べられ、
妖精じゃなくても、入ってみたい気分にさせた。
「良く出来てるのにね」
「うん」
チーム・南の島の思惟たちは、
浴衣の帯だけ残して失踪。
妖精は捕まる気配はない。
「行き詰りだね」
「そうだね」
そんなαとβに、璃琥は目を輝かせながら言った。
「合体してみようか?そしたら、1人の思惟に戻れるかも」
「えーエッチな意味でじゃないよね」
「違うよ。ほら狼図が昔、合体ロボ持ってたじゃん、
あれみたいに合体したら、何か起こるんじゃない?」
賢そうな思惟βの意見を、思惟αと璃琥は待った。
「・・・うん・・・そうね。」
璃琥がものすごく期待した目で、βをみるもんだからつい、
「そうね・・・訳も解らず、12人に増えたんだから、
訳も分からず、1人に戻るかも知れないね。」
と答えてしまった。
「おお!じゃあ、早速やってみようぜ!じゃあ私が真ん中ね。
2人は私の足を持って・・・。」
璃琥に言われるまま、3人の思惟は、組体操の3人サボテンをした。
「それじゃ行くよ、超思惟合体!
・・・・・・って、2人も言わないと!」
璃琥の指示で3人の思惟は、そろって
「超思惟合体!」
と言ったが・・・璃琥は、
「違う!まだ照れがある。そんな事じゃいつまでたっても、
美少女戦士だった頃の思惟には戻れないよ!」
「美少女戦士だったんだ、私・・・。」
「美少女戦士として育てられた少女、それが私たち思惟。
ツラい戦いの日々を思い出したくないのは解るけど、
今は、美少女戦士だったあの頃を思い出して!」
璃琥が、ノリノリなので、
αとβはそのノリに合わせることにした。
「それじゃあ、美少女戦士超思惟合体!で行くよ」
「・・さっきと変わってるし・・・」
「じゃあせーので行くね。せーの!」
「美少女戦士超思惟合体!」
3人の思惟の気持ちと、言葉が重なった瞬間!
・・・ 女将の間の扉が開き、
チーム・西の島の思惟が1人、ちーずが入ってきた。
彼女は、組体操をするチーム・北の島を、無言で眺めた。
「・・・・」
「・・・・」
「美少女戦士超思惟合体?」
「うん・・・まあ・・・
女将修行中の子には言わないでね。
あの子は1人で頑張ってるから・・・」
βは、璃琥の足を支えながら言った。
「努力はする」
つづく
思惟たち ヽ(*'0'*)ツ
思惟オリジナル(15) 旅館の女将修行中
12人の思惟たち
【チーム・北の島】
α ちょっとアホっぽい。弄られキャラ。
β 賢そうな子。
璃琥(りく) 高跳び少女。
女将のあみちゃん 大人びた少女。
【チーム・南の島】
ニッキ― デジカメ少女。日記を記す。
裸族 コテカを装着した少女。
キス魔1号 ニッキ―と裸族が大好きな少女。
キス魔2号 キャラは1号と同じ。
【チーム・西の島】
ちーず 兄の狼図を嫁にしたい少女。
φ 妖精捕獲器を作った少女。
〇
〇
フロントでお仕事中。
その愛想の良さは、ものすごく評判が良く、
封鎖事件で、暗い雰囲気の街にとって、
それは癒しの明るいニュースだった。
ただ封鎖事件後、厳しい旅館経営的には良いのだが、
あまり思惟の評判を上げ過ぎると、
あみ以外の思惟が、女将をやるときに、ちょっとツラい。
あみが、着物を着て、いそいそと歩く姿は美しく、
日本旅館の風景に馴染んだ。
しかし、他の思惟が、それをやると、どこかぎこちなかった。
「天職ってあるよね」
「そうだね」
女将の間の居間では、
チーム・北の島のαとβが、
2人並んで、お茶と羊羹を食べていた。
別に並ばなくても良いのに、つい並んでしまう。
なんか落ち着くのだ。
同時に羊羹を口に運び、同時にお茶を口に運ぶ。
さすが同じ思惟!とはもう驚く事も無くなった。
油断してると、まったく同じ行動をとってしまう。
もしかしたら、このまま1人の思惟に、
戻るんじゃないかと期待してしまう。
「羊羹、美味しいね」
「そうだね」
あみが、「おやつに♪」と、
女将修行で忙しいのに、
わざわざ持って来てくれた、羊羹だ。
「良い娘だよ」
「ホントだよ」
αとβの目の前では、スポブラを着た璃琥が、
クッションのサッカーボールで、リフティングをしていた。
「私たち、リフティングなんて出来たっけ?」
「5回ぐらいなら出来たような・・・」
璃琥のリフティングは、50回は超えていた。
「やれば出来る子だったんだね。私たち・・・。」
「璃琥ちゃん見てると、自信が着くよね。」
αとβは、緑茶を飲み干すと。
「しかし妖精、捕まらないね」
2人は同時に言った。
旧館に設置した妖精捕獲器には、
何も入っていなかった。
テーブルに置かれた妖精捕獲器内には、
可愛らしいミニチュアの家具が並べられ、
妖精じゃなくても、入ってみたい気分にさせた。
「良く出来てるのにね」
「うん」
チーム・南の島の思惟たちは、
浴衣の帯だけ残して失踪。
妖精は捕まる気配はない。
「行き詰りだね」
「そうだね」
そんなαとβに、璃琥は目を輝かせながら言った。
「合体してみようか?そしたら、1人の思惟に戻れるかも」
「えーエッチな意味でじゃないよね」
「違うよ。ほら狼図が昔、合体ロボ持ってたじゃん、
あれみたいに合体したら、何か起こるんじゃない?」
賢そうな思惟βの意見を、思惟αと璃琥は待った。
「・・・うん・・・そうね。」
璃琥がものすごく期待した目で、βをみるもんだからつい、
「そうね・・・訳も解らず、12人に増えたんだから、
訳も分からず、1人に戻るかも知れないね。」
と答えてしまった。
「おお!じゃあ、早速やってみようぜ!じゃあ私が真ん中ね。
2人は私の足を持って・・・。」
璃琥に言われるまま、3人の思惟は、組体操の3人サボテンをした。
「それじゃ行くよ、超思惟合体!
・・・・・・って、2人も言わないと!」
璃琥の指示で3人の思惟は、そろって
「超思惟合体!」
と言ったが・・・璃琥は、
「違う!まだ照れがある。そんな事じゃいつまでたっても、
美少女戦士だった頃の思惟には戻れないよ!」
「美少女戦士だったんだ、私・・・。」
「美少女戦士として育てられた少女、それが私たち思惟。
ツラい戦いの日々を思い出したくないのは解るけど、
今は、美少女戦士だったあの頃を思い出して!」
璃琥が、ノリノリなので、
αとβはそのノリに合わせることにした。
「それじゃあ、美少女戦士超思惟合体!で行くよ」
「・・さっきと変わってるし・・・」
「じゃあせーので行くね。せーの!」
「美少女戦士超思惟合体!」
3人の思惟の気持ちと、言葉が重なった瞬間!
・・・ 女将の間の扉が開き、
チーム・西の島の思惟が1人、ちーずが入ってきた。
彼女は、組体操をするチーム・北の島を、無言で眺めた。
「・・・・」
「・・・・」
「美少女戦士超思惟合体?」
「うん・・・まあ・・・
女将修行中の子には言わないでね。
あの子は1人で頑張ってるから・・・」
βは、璃琥の足を支えながら言った。
「努力はする」
つづく
思惟たち ヽ(*'0'*)ツ
思惟オリジナル(15) 旅館の女将修行中
12人の思惟たち
【チーム・北の島】
α ちょっとアホっぽい。弄られキャラ。
β 賢そうな子。
璃琥(りく) 高跳び少女。
女将のあみちゃん 大人びた少女。
【チーム・南の島】
ニッキ― デジカメ少女。日記を記す。
裸族 コテカを装着した少女。
キス魔1号 ニッキ―と裸族が大好きな少女。
キス魔2号 キャラは1号と同じ。
【チーム・西の島】
ちーず 兄の狼図を嫁にしたい少女。
φ 妖精捕獲器を作った少女。
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