思惟ちゃんと式神的な巨大ロボット

健野屋文乃(たけのやふみの)

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2章 分身の術?

14話 3人の思惟ちゃんとおしくらまんじゅう

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昨日の夜の出来事・・・


【チーム・南の島】は、妖精の住む地下へと通じてるかも知れない物置部屋にいた。


もしかしたら現れるかも知れない妖精を捕まえるためだ。

旧館の各所には、鼠捕獲装置を改造した妖精捕獲装置を設置した。


地上の人間より知能が高いであろう妖精が、引っかかるとは思えない。

でも、やれることはやって置きたかった。


ニッキーの前では、股にコテカを着けたままの裸族の思惟と、2人のキス魔の思惟が、南国風にアレンジしたダンスをしていた。

ダンスでおびき出そうー作戦らしい。


しかし、ダンスのセンスの欠片も無く、それはかなり不可解なダンスだった。

その不可解さゆえに、逆に妖精が出てくるかも・・・

ニッキ―は、楽しそうな3人の思惟を見守った。

見ているだけで、ニッキ―の心は踊った。


自分と似ている者に感情移入しやすいのなら、この状態はものすごく感情移入のレベルが高いのかも知れない。


「いえーい」
 

裸族の思惟と一緒に、キス魔の2人もドタバタと踊り狂っていた。


3人の思惟は、踊りながらチラッと太ももをニッキ―に見せた。


「自分の太ももみて欲情なんてしないよ」

「そんな冷めた子は、こうしちゃえ!」

ニッキ―は3人の思惟に囲まれ、おしくらまんじゅう状態で、お尻を押し付けられた。


「もう、やめてよ~私は良いから~」


と言いながらも、弾力のあるちょっと硬めのお尻・・・

自分のお尻って、こんな感じなんだ。

とニッキ―は思った。


4人の思惟が、きゃっきゃっきゃっきゃっ、とおしくらまんじゅうをしていると

「あっ・・・入ってもうた・・・。」

と裸族の思惟が呟いた。


見ると、裸族の思惟が着けていたコテカが、妖精の出入り口にちょうど、すっぽり入っていた。


壁の奥で、微かにモーター音が響いた。


「もしかして・・・オープン ザ ドアじゃない?」

「開いた、いえーーーい!」」

「コテカちゃんすごーーーい!」


興奮した裸族とキス魔1号2号は、勢いでエレベーターに飛び乗ってしまった。


「ちょっと待って!」

ニッキ―は慌てて叫んだ。

そして、居間にいるであろう【チーム・北の島】に、助けを求めた。


「誰か来て!」


居間から応答はなかった。

エレベータのドアは閉まりかけていた。

あの3人だけで行かせるわけには行かない。

「誰か来て!」

と叫んだあとニッキ―も、エレベータに飛び込んだ。

そして、自分の帯を解いて物置部屋に投げた。

きっと誰かが何とかしてくれるかも知れない。


【チーム・南の島】を乗せると、エレベーターのドアは静かに閉まった。





つづく
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