思惟ちゃんと式神的な巨大ロボット

健野屋文乃(たけのやふみの)

文字の大きさ
上 下
23 / 85
2章 分身の術?

6話 自分の限界値

しおりを挟む
20ワットの照明の橙色の明かりのみの、

物置小屋は薄暗かった。


その薄い闇の中、

橙色の明かりに照らされた凛琥(りく)の横顔は、

まさに今から高跳び台に向かうその瞬間の表情だった。


「凛々しい・・・私たちって結構いけるじゃん」

βはαに囁いた。



コンコン・・・


凛琥(りく)が壁をノックすると、

他の場所とは違い、硬い何かがある感触がした。


「このあたりだね」

凛琥(りく)は、拳を強く握った。


「もし俺の拳が本物なら、この偽装を叩き潰せるはず。

俺の本物の拳の前に、偽装など効かん!」


凛琥が、本気で壁を叩こうとしたので、あみ女将は慌てて止めた。


「な・・・何してるの!ば・・馬鹿なの?

あなたは陸上部の高跳び選手、

人を殴ったことも無いあなたが本物の拳なはずはないでしょう」


「一理ある。さすが女将、物事を見極める目は確からしい」


「や~だ、女将だなんて、え~あたいは、まだ修行中の身だよ」





「あたいって!」

思惟αβは、同時に声を上げた。


「もしかしてこの2人、キャラ設定作ろうとしてる?

それとも素?素だったら逆に痛いよね。

そもそも女将が『あたい』っ言うキャラ設定ってどうなの?」

βはαの耳元で囁いた。

「痛いとか言わないの!この2人は私たちの中で優秀な2トップよ」


「こんなんが・・・・あ~でもそうだね。所詮私だもんね」


「ふ~」


自分の限界値を知った思惟αβは、同時に溜息を着いた。



「そこの2人!溜息ついてないで、手伝えよ!」


本物の拳を持つ?凛琥(りく)から激が飛んだ。



「は~い」


思惟αβは仲良く返事をした。




「ねえねえ。この穴何だろう?」

あみ女将が、指差す所に3センチぐらいの穴が開いていた。



「何だろう?妖精の出入り口?」




つづく
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

5人の小さな色彩人との物語

中村音音(なかむらねおん)
ファンタジー
 かつて5人の小さな人の物語に着手したことがある。  5人ともそろいもそろってあまりに奔放なものだから物語が散り散りに飛んでいき、空中分解するみたいにして頓挫した作品だった。  パソコンの中に棲む小人という設定に華やかさはなく、だから彼らに与えた姿はモノトーン。地味だけど着々と描いてきたのに。  彼らは、おとなしい活躍など最初から望んではいなかった。  それがある時、自らに色をつけ、向こうから再登場してきたではないか。  作者であるぼくをさしおき、彼らは自由意思で活動し始めようとしている。  なんのために?    ぼくのものだったはずの物語は、ある瞬間を境に彼らの物語にすり替わった。  彼らの目的はなにか?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

処理中です...