思惟ちゃんと式神的な巨大ロボット

健野屋文乃(たけのやふみの)

文字の大きさ
上 下
22 / 85
2章 分身の術?

5話 女将修行手帳の行方

しおりを挟む
古い木の匂いが充満している物置部屋は、

遠い昔の人々の思い出に守られているようで、とても安らいだ。



「確か・・・この辺にエレベーターのドアがあったはず・・・」


スポブラ思惟は言った・・・って、違う!


彼女はいつの間にか高跳び様のスパッツに履き替えていた。


「いつのまに!」

思惟αβは、同時に声を上げた。


それにしても、出来る女は、何をやっても早い。

せっかく【スポブラ】って名前をつけたのに。

思惟αは愚痴った。


陸上部のレギュラーのユニホーム。

栄光の中学陸上部時代の象徴。

1年から3年まで、高跳びのレギュラーだった栄光の時代。

高跳びをしたいと言う部員が、

思惟しかいなかったから可能だったのだが(汗)

大会での成績は、あれだったが・・・


「私の栄光の時代~」

ちょっと涙が零れそう。


そんな思惟αβの感慨をよそに、

あみさんは物置部屋の探索にあたっていた。



「何もそれらしい形跡は無いわね」

あみは、古い白壁を優しく撫でながら言った。


その大人びた雰囲気は、癒された。


「あの手で、なでなでされたいよね」

思惟βは、思惟αの気持ちを代弁してくれた。


他の思惟も薄々は気づいているのだが、

あみさんの胸が、他の思惟より大きい。


着物の奥に何か入れているのだろうか?



「揉んでみようか?」

思惟βは大胆な事を思惟α言った。

「それは・・・でも女同士と言うか思惟同士な訳だから、

確かめるチャンスは幾らでもあるんじゃない。

それを待ちましょう」


「慎重なんだから」


 「そう言えばスパッツさんの腹筋も何気に割れてる。

お尻もなんかぷりぷりしてるー」


「あっホントだ。さっきまで同じ思惟だったはずなのに!なぜ?

・・・って言うか、スパッツさんって、ちょっとダサいかも・・・。

もうちょっと考えましょ」


「じゃあリクさんで・・・・」


「男子見たい・・」


思惟αは、女将修行手帳を取り出して【凛琥】と書いて見せた。


「いいかも♪」


・・・って言うか、女将修行手帳、私が持ってるじゃん。

思惟αは1人、にやけた。



つづく

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

奇妙な日常

廣瀬純一
大衆娯楽
新婚夫婦の体が入れ替わる話

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...