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4章 結社同盟
4話 姫巫女候補生・由良穂香
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「あの~このステッカーは?」
由良穂香が、車のダッシュボートに張ってある【ガラパゴス公国の逆襲】のステッカーに興味を持ったらしい。
さすが姫巫女候補生だ。見る目がある。
センスのある人間にしか解らないセンスの高さなのだろう。
「カッコいいでしょう。わたしがデザインしだんた」
「あの~秘密結社って、秘密だから秘密結社なんですよね」
え?急に話が飛んだけど、まあ16歳の少女だし。
「そうだね」
「・・・」
何か言いたげだが、まあいい。難しい年頃だ。
赤信号で停まったので、わたしはコードネーム・ガラパゴスの美女に相応しい香水を、シュシュとした。
まさに、わたしの香りだ。テンション上がる。
「あの~もう香水は十分香ってるから、大丈夫じゃないでしょうか?」
由良穂香はそう言った。
「ごめんね、ちょっと強すぎたみたいね」
まだ16歳には、まだ理解不能なのだろう。
はぁ~
おっとガラパゴスの美女専用サングラスを、掛けるのを忘れていた。
わたしはガラパゴスの美女専用サングラスをつけると、まだお子ちゃまの由良穂香を見た。
あれ何の反応もしない。
めっちゃガラパゴスの美女なはずなのに。
逆に、何でサングラス掛けたんだろうって目をしている。
なんで?
君は反抗期なの?
この反抗期の護衛対象のコードネームはロタ。
色んな情報を組み合わせると、間違いなくこの娘は、由良穂香だ!
姫巫女候補生が誘拐されたとなると、この界隈では大事件だ。
隠しようがない。
その護衛をなぜ【ガラパゴス公国の逆襲】に依頼して来たのか。
推定だが。
誘拐事件発覚後、由良穂香に付いて色々調べたが、決してレベルの高い姫巫女候補生とは言えない。
推定レベル1だろう。
誘拐事件が起きた為【武者倶楽部】としては、高レベルの姫巫女候補生の護衛を強化したいのだろう。
その結果、誘拐された本人の護衛が不足してしまった。
そして同盟関係の【ガラパゴス公国の逆襲】に護衛を委託した。
さらに秘密結社【ガラパゴス公国の逆襲】と言えば、百合百合結社として有名なのは事実だ。
そんなところに護衛を任せる程、事態は切迫しているのだろう。
なんか切ない。
この娘もなんか幸薄そうな顔してるし。
そんな幸の薄そうな由良穂香は言った。
「あのー公園の猫ちゃんに会いたいんですけど」
「こんな時に野良猫にですか?」
「猫は猫でもわたしの情報屋なのです」
「ほお・・・」
家に送るだけと思っていたが、まあ別に断る理由もなかったので、公園に向かった。
駐車場に車を停め、ブローニングM1910を確認すると、公園内を見渡した。
気配、ある種の危険な気配はなかった。
安全を確認後、後部座席のスーサイドドアを開けた。
スーサイドドアから出てきた由良穂香は凛々しかった。
レベル1とは言え、さすが姫巫女候補生だ。
すっごく抱きしめたい。
姫巫女候補生は、大きなジャングルジムの前に着くと、ジャングルジムの鉄筋に座った。
そう言う事か!
この凛々しい姫巫女は、わたしとデートをしたかったのだな。
そう言う事なら♪
そんなラブラブ寸前の我らに、茶トラの猫が近づいてきた。
そのまま茶トラは、由良穂香の膝の上に飛び乗って、にゃーにゃー鳴き続けた。
それはまるで話しかけているように。
1時間ぐらい経った後、満足したのか茶トラは、尻尾を振りながら、公園の林の中に消えて行った。
「そう言う事なので、さっそく行きましょう」
由良穂香は言ったが、何がそう言う事なのか、解らなかった。
「そう言う事でとは?」
「聞いてなかったんですか?」
「えっ何を?」
「虎ちゃんとの会話ですよ」
【虎ちゃん】とは、さっきの猫の事だろう。
「猫の会話は、ちょっと解らないので」
「そっか」
「そうですね」
「実はですね、虎ちゃんの友達がですね、わたしを追っていたと思われる【パターン黒】を、あのスワンボートがある池で、見たって言うんです」
どうしよう、このあどけない由良穂香に、話を合わせるべきか?
しかし相手は、凛々しい姫巫女候補生だ。
何かあるのかも知れないし、まだ凛々しいおっぱいも触ってないし!
「はい」
とりあえず極めて控えめな相槌を打ってみた。
「スワンボートの池に今から行きましょう」
「危険じゃありません?」
「大丈夫です、もうすぐ光学迷彩の武者と合流するので」
光学迷彩の武者!
光学迷彩が実用化している事は、噂では知っていた。
それなら【武者倶楽部】クラスの秘密結社なら保有しているのもおかしくはない。
わたしの心は踊った。
つづく
由良穂香が、車のダッシュボートに張ってある【ガラパゴス公国の逆襲】のステッカーに興味を持ったらしい。
さすが姫巫女候補生だ。見る目がある。
センスのある人間にしか解らないセンスの高さなのだろう。
「カッコいいでしょう。わたしがデザインしだんた」
「あの~秘密結社って、秘密だから秘密結社なんですよね」
え?急に話が飛んだけど、まあ16歳の少女だし。
「そうだね」
「・・・」
何か言いたげだが、まあいい。難しい年頃だ。
赤信号で停まったので、わたしはコードネーム・ガラパゴスの美女に相応しい香水を、シュシュとした。
まさに、わたしの香りだ。テンション上がる。
「あの~もう香水は十分香ってるから、大丈夫じゃないでしょうか?」
由良穂香はそう言った。
「ごめんね、ちょっと強すぎたみたいね」
まだ16歳には、まだ理解不能なのだろう。
はぁ~
おっとガラパゴスの美女専用サングラスを、掛けるのを忘れていた。
わたしはガラパゴスの美女専用サングラスをつけると、まだお子ちゃまの由良穂香を見た。
あれ何の反応もしない。
めっちゃガラパゴスの美女なはずなのに。
逆に、何でサングラス掛けたんだろうって目をしている。
なんで?
君は反抗期なの?
この反抗期の護衛対象のコードネームはロタ。
色んな情報を組み合わせると、間違いなくこの娘は、由良穂香だ!
姫巫女候補生が誘拐されたとなると、この界隈では大事件だ。
隠しようがない。
その護衛をなぜ【ガラパゴス公国の逆襲】に依頼して来たのか。
推定だが。
誘拐事件発覚後、由良穂香に付いて色々調べたが、決してレベルの高い姫巫女候補生とは言えない。
推定レベル1だろう。
誘拐事件が起きた為【武者倶楽部】としては、高レベルの姫巫女候補生の護衛を強化したいのだろう。
その結果、誘拐された本人の護衛が不足してしまった。
そして同盟関係の【ガラパゴス公国の逆襲】に護衛を委託した。
さらに秘密結社【ガラパゴス公国の逆襲】と言えば、百合百合結社として有名なのは事実だ。
そんなところに護衛を任せる程、事態は切迫しているのだろう。
なんか切ない。
この娘もなんか幸薄そうな顔してるし。
そんな幸の薄そうな由良穂香は言った。
「あのー公園の猫ちゃんに会いたいんですけど」
「こんな時に野良猫にですか?」
「猫は猫でもわたしの情報屋なのです」
「ほお・・・」
家に送るだけと思っていたが、まあ別に断る理由もなかったので、公園に向かった。
駐車場に車を停め、ブローニングM1910を確認すると、公園内を見渡した。
気配、ある種の危険な気配はなかった。
安全を確認後、後部座席のスーサイドドアを開けた。
スーサイドドアから出てきた由良穂香は凛々しかった。
レベル1とは言え、さすが姫巫女候補生だ。
すっごく抱きしめたい。
姫巫女候補生は、大きなジャングルジムの前に着くと、ジャングルジムの鉄筋に座った。
そう言う事か!
この凛々しい姫巫女は、わたしとデートをしたかったのだな。
そう言う事なら♪
そんなラブラブ寸前の我らに、茶トラの猫が近づいてきた。
そのまま茶トラは、由良穂香の膝の上に飛び乗って、にゃーにゃー鳴き続けた。
それはまるで話しかけているように。
1時間ぐらい経った後、満足したのか茶トラは、尻尾を振りながら、公園の林の中に消えて行った。
「そう言う事なので、さっそく行きましょう」
由良穂香は言ったが、何がそう言う事なのか、解らなかった。
「そう言う事でとは?」
「聞いてなかったんですか?」
「えっ何を?」
「虎ちゃんとの会話ですよ」
【虎ちゃん】とは、さっきの猫の事だろう。
「猫の会話は、ちょっと解らないので」
「そっか」
「そうですね」
「実はですね、虎ちゃんの友達がですね、わたしを追っていたと思われる【パターン黒】を、あのスワンボートがある池で、見たって言うんです」
どうしよう、このあどけない由良穂香に、話を合わせるべきか?
しかし相手は、凛々しい姫巫女候補生だ。
何かあるのかも知れないし、まだ凛々しいおっぱいも触ってないし!
「はい」
とりあえず極めて控えめな相槌を打ってみた。
「スワンボートの池に今から行きましょう」
「危険じゃありません?」
「大丈夫です、もうすぐ光学迷彩の武者と合流するので」
光学迷彩の武者!
光学迷彩が実用化している事は、噂では知っていた。
それなら【武者倶楽部】クラスの秘密結社なら保有しているのもおかしくはない。
わたしの心は踊った。
つづく
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