22 / 40
3章 我が忠実なる家臣団
2話 甘言と流言によって・・・
しおりを挟む
夕焼けが消え、
街が闇夜に支配され始める時刻に、
僕らは今晩泊まる場所に向かった。
そのホテルは、バスターミナルと同じ建物にあった。
ここの会議室での会議は、一種のステータスらしく、
客もホテルマンも、そのステータスを誇っていた。
由良穂香は、フロントを素通りしてホテルの奥へと進んだ。
「客のふりをすれば、誰も怪しまないのです」
とあるじに言われ、僕は客のふりをした。
ホテルのレストランでは、
何かのパ―ティーが開かれているらしく、
警備員が物々しかった。
その横をすり抜け、エレベーターに乗った。
「1つ言っておきたいのですが・・・。」
ドアが閉まると二人だけの空間が生まれた。
キチンと造りこまれた密室は心地が良い。
そんなエレベーターの密室で、
あるじは階数を見上げながら言った。
あるじは、ぱっと見!上の下なのだが、
(時々中ランクに陥落するが)
横顔は、上の上と言っても過言ではない美しさだ。
「なんです?」
「私はですね。決して
【ストックホルム症候群】ではないのです。
姫巫女候補生である私は、誘拐された時の対処法の、
レクチャーを受けていました。云わば想定内なのです。
家臣くんは、私の甘言と流言によって、
調略されたのです。そして私の家臣になった。
初めての家臣くんなのです♪」
あるじが、横目でチラッと僕を見た後、
エレベータのドアは静かに開いた。
9階フロアには、ふわふわの絨毯が敷き詰められていた。
つづく
秘密結社な小説への御来訪
ありがとうございます。 [壁]‥) チラッ
街が闇夜に支配され始める時刻に、
僕らは今晩泊まる場所に向かった。
そのホテルは、バスターミナルと同じ建物にあった。
ここの会議室での会議は、一種のステータスらしく、
客もホテルマンも、そのステータスを誇っていた。
由良穂香は、フロントを素通りしてホテルの奥へと進んだ。
「客のふりをすれば、誰も怪しまないのです」
とあるじに言われ、僕は客のふりをした。
ホテルのレストランでは、
何かのパ―ティーが開かれているらしく、
警備員が物々しかった。
その横をすり抜け、エレベーターに乗った。
「1つ言っておきたいのですが・・・。」
ドアが閉まると二人だけの空間が生まれた。
キチンと造りこまれた密室は心地が良い。
そんなエレベーターの密室で、
あるじは階数を見上げながら言った。
あるじは、ぱっと見!上の下なのだが、
(時々中ランクに陥落するが)
横顔は、上の上と言っても過言ではない美しさだ。
「なんです?」
「私はですね。決して
【ストックホルム症候群】ではないのです。
姫巫女候補生である私は、誘拐された時の対処法の、
レクチャーを受けていました。云わば想定内なのです。
家臣くんは、私の甘言と流言によって、
調略されたのです。そして私の家臣になった。
初めての家臣くんなのです♪」
あるじが、横目でチラッと僕を見た後、
エレベータのドアは静かに開いた。
9階フロアには、ふわふわの絨毯が敷き詰められていた。
つづく
秘密結社な小説への御来訪
ありがとうございます。 [壁]‥) チラッ
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
意味のないスピンオフな話
韋虹姫 響華
キャラ文芸
本作は同列で連載中作品「意味が分かったとしても意味のない話」のスピンオフ作品に当たるため、一部本編の内容を含むものがございます。
ですが、スピンオフ内オリジナルキャラクターと、pixivで投稿していた自作品とのクロスオーバーも含んでいるため、本作から読み始めてもお楽しみいただけます。
────────────────
意味が分かったとしても意味のない話────。
噂観測課極地第2課、工作偵察担当 燈火。
彼女が挑む数々の怪異──、怪奇現象──、情報操作──、その素性を知る者はいない。
これは、そんな彼女の身に起きた奇跡と冒険の物語り...ではない!?
燈火と旦那の家小路を中心に繰り広げられる、非日常的な日常を描いた物語なのである。
・メインストーリーな話
突如現れた、不死身の集団アンディレフリード。
尋常ではない再生力を持ちながら、怪異の撲滅を掲げる存在として造られた彼らが、噂観測課と人怪調和監査局に牙を剥く。
その目的とは一体────。
・ハズレな話
メインストーリーとは関係のない。
燈火を中心に描いた、日常系(?)ほのぼのなお話。
・世にも無意味な物語
サングラスをかけた《トモシビ》さんがストーリーテラーを勤める、大人気番組!?読めば読む程、その意味のなさに引き込まれていくストーリーをお楽しみください。
・クロスオーバーな話
韋虹姫 響華ワールドが崩壊してしまったのか、
他作品のキャラクターが現れてしまうワームホールの怪異が出現!?
何やら、あの人やあのキャラのそっくりさんまで居るみたいです。
ワームホールを開けた張本人は、自称天才錬金術師を名乗り妙な言葉遣いで話すAI搭載アシストアンドロイドを引き連れて現れた少女。彼女の目的は一体────。
※表紙イラストは、依頼して作成いただいた画像を使用しております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる