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3章 我が忠実なる家臣団
1話 パターン黒、ロスト!
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「あれ・・・パターン黒(秘密結社員)が、いない」
「あっ・・・」
広い公園のどこにも、
パターン黒が、見当たらない。
「パターン黒、ロスト!」
あるじは、テンション高めで言って、僕を見た。
基本、テンション低めの僕は、
急にはテンションを上げられないので、
軽くスルーした。
「イエイ♪」
このあるじの「イエイ♪」は、
言葉としては意味はないのだが、
流れのリズムとしては、
きっと欠かせない言葉なのだろう。
「完全に巻かれたのです。さすがパターン黒です。」
多分、こちら側の油断だと思うが・・・
「でも、我が忠実なる家臣団の皆さん、安心してください。
こんな時の為に、私には能力があるのです」
家臣団って、僕、1人だが・・・
「あるじの能力?ちょっとそれっぽい」
「そう私は能力者なのです。
その能力は『猫使い』でっす。」
「猫使い!!!おおお!
猫を、自由自在に使役する能力ですね」
「さすが我が家臣!読みが鋭いです。
ほぼその通りです♪私が猫に何度か使われて
『こいつは使える!』と思われると、
時々助けを請える能力です」
「使役される方じゃないですか!」
「日頃からの努力が、ものを言う能力です」
あるじは、猫笛を取り出すと吹いた。そして、
「ちょっとベンチに座って待ってよう」
と。
「でも・・・パターン黒の行った方角を、
追いかけた方が良いんじゃないですか!
今ならまだ間に合うかも」
「家臣くん、それは極めて凡庸な考え方です。
もしパターン黒が尾行を警戒して、
待ち構えているかも知れないのです。こちら側は、
パターン黒の予想を超える攻勢を仕掛けるのが、
凡庸を超える者の戦い方です。
私が『猫使い』だと知る者は、今のところ家臣くんだけです。
これは秘策中の秘策。誰も予想できません。
猫を警戒する人など、まず存在しません。」
と、あるじは言ったのですが、
気まぐれな猫ちゃんが、誰も助けには来てくれず・・・
僕らは、公園のベンチで、日が暮れるまで、待ち続けたのでした。
「なんじゃこれー」僕は心の中で叫んだ。
つづく
秘密結社な小説への御来訪
ありがとうございます。 [壁]‥) チラッ
「あっ・・・」
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軽くスルーした。
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言葉としては意味はないのだが、
流れのリズムとしては、
きっと欠かせない言葉なのだろう。
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多分、こちら側の油断だと思うが・・・
「でも、我が忠実なる家臣団の皆さん、安心してください。
こんな時の為に、私には能力があるのです」
家臣団って、僕、1人だが・・・
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「そう私は能力者なのです。
その能力は『猫使い』でっす。」
「猫使い!!!おおお!
猫を、自由自在に使役する能力ですね」
「さすが我が家臣!読みが鋭いです。
ほぼその通りです♪私が猫に何度か使われて
『こいつは使える!』と思われると、
時々助けを請える能力です」
「使役される方じゃないですか!」
「日頃からの努力が、ものを言う能力です」
あるじは、猫笛を取り出すと吹いた。そして、
「ちょっとベンチに座って待ってよう」
と。
「でも・・・パターン黒の行った方角を、
追いかけた方が良いんじゃないですか!
今ならまだ間に合うかも」
「家臣くん、それは極めて凡庸な考え方です。
もしパターン黒が尾行を警戒して、
待ち構えているかも知れないのです。こちら側は、
パターン黒の予想を超える攻勢を仕掛けるのが、
凡庸を超える者の戦い方です。
私が『猫使い』だと知る者は、今のところ家臣くんだけです。
これは秘策中の秘策。誰も予想できません。
猫を警戒する人など、まず存在しません。」
と、あるじは言ったのですが、
気まぐれな猫ちゃんが、誰も助けには来てくれず・・・
僕らは、公園のベンチで、日が暮れるまで、待ち続けたのでした。
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