5 / 5
1章
5話 私の我儘も、誰か聞いてくれたっていいのに
しおりを挟む
「良次と間違えて、私を拉致った?資産家の息子を狙った誘拐?」
犯人が『良次』と言った時の言い方は、よく知っている人に対する呼びからの様に聞こえた。
涼子は、急いでどこかに行こうとしている雨雲を見ながら思った。
「大体、なんで私がこんな事しなくちゃいけないのよ」
誰に言うでもなく愚痴った。
Лの仲間達が家に屯(たむろ)している時は、相対的にいい子になった。
自分勝手でわがままなЛの仲間達に対して、社会正義を振りかざして諭したりもした。
面倒見のいい妹を演じた。
しかし、本当は面倒くさくてしょうがなかった。
本来そんな出来た人間じゃないことは、自分が一番知っていた。
涼子は立ち上がり、側にあった石をつかんだ。
「どいつもこいつも。」
石を川に投げ込んだ。
石は心地よい音をならして川に飛び込んだ。
「私の我儘も、誰か聞いてくれたっていいのに」
再び石を投げると石は再び心地よい音をならして川に飛び込んだ。
その音とかぶって、無駄にでかいエンジン音が聞こえた。
「涼子ちゃーん」
と土手の上で叫ぶ声と、ヤンキー仕様に改造された車の無駄にでかいエンジン音があたりに響いていた。
Л一門の中核、松島さんだ。
この街の99、99%が善人なのだが、0、01%に過ぎない悪そな連中がなぜか涼子に寄ってくる。
「また悪そう奴らがやってきた」
松島さんは車の窓から
「涼子ちゃん良かったら乗らない?」
普通の女子高生である涼子が、ヤンキー仕様車に乗ることは非常に抵抗を感じた。
しかし断る強い理由も思いつかなかったので、仕方なくヤンキー仕様車に乗ることにした。
つづく
犯人が『良次』と言った時の言い方は、よく知っている人に対する呼びからの様に聞こえた。
涼子は、急いでどこかに行こうとしている雨雲を見ながら思った。
「大体、なんで私がこんな事しなくちゃいけないのよ」
誰に言うでもなく愚痴った。
Лの仲間達が家に屯(たむろ)している時は、相対的にいい子になった。
自分勝手でわがままなЛの仲間達に対して、社会正義を振りかざして諭したりもした。
面倒見のいい妹を演じた。
しかし、本当は面倒くさくてしょうがなかった。
本来そんな出来た人間じゃないことは、自分が一番知っていた。
涼子は立ち上がり、側にあった石をつかんだ。
「どいつもこいつも。」
石を川に投げ込んだ。
石は心地よい音をならして川に飛び込んだ。
「私の我儘も、誰か聞いてくれたっていいのに」
再び石を投げると石は再び心地よい音をならして川に飛び込んだ。
その音とかぶって、無駄にでかいエンジン音が聞こえた。
「涼子ちゃーん」
と土手の上で叫ぶ声と、ヤンキー仕様に改造された車の無駄にでかいエンジン音があたりに響いていた。
Л一門の中核、松島さんだ。
この街の99、99%が善人なのだが、0、01%に過ぎない悪そな連中がなぜか涼子に寄ってくる。
「また悪そう奴らがやってきた」
松島さんは車の窓から
「涼子ちゃん良かったら乗らない?」
普通の女子高生である涼子が、ヤンキー仕様車に乗ることは非常に抵抗を感じた。
しかし断る強い理由も思いつかなかったので、仕方なくヤンキー仕様車に乗ることにした。
つづく
0
お気に入りに追加
1
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうぞご勝手になさってくださいまし
志波 連
恋愛
政略結婚とはいえ12歳の時から婚約関係にあるローレンティア王国皇太子アマデウスと、ルルーシア・メリディアン侯爵令嬢の仲はいたって上手くいっていた。
辛い教育にもよく耐え、あまり学園にも通学できないルルーシアだったが、幼馴染で親友の侯爵令嬢アリア・ロックスの励まされながら、なんとか最終学年を迎えた。
やっと皇太子妃教育にも目途が立ち、学園に通えるようになったある日、婚約者であるアマデウス皇太子とフロレンシア伯爵家の次女であるサマンサが恋仲であるという噂を耳にする。
アリアに付き添ってもらい、学園の裏庭に向かったルルーシアは二人が仲よくベンチに腰掛け、肩を寄せ合って一冊の本を仲よく見ている姿を目撃する。
風が運んできた「じゃあ今夜、いつものところで」という二人の会話にショックを受けたルルーシアは、早退して父親に訴えた。
しかし元々が政略結婚であるため、婚約の取り消しはできないという言葉に絶望する。
ルルーシアの邸を訪れた皇太子はサマンサを側妃として迎えると告げた。
ショックを受けたルルーシアだったが、家のために耐えることを決意し、皇太子妃となることを受け入れる。
ルルーシアだけを愛しているが、友人であるサマンサを助けたいアマデウスと、アマデウスに愛されていないと思い込んでいるルルーシアは盛大にすれ違っていく。
果たして不器用な二人に幸せな未来は訪れるのだろうか……
他サイトでも公開しています。
R15は保険です。
表紙は写真ACより転載しています。
裏切りの代償
志波 連
恋愛
伯爵令嬢であるキャンディは婚約者ニックの浮気を知り、婚約解消を願い出るが1年間の再教育を施すというニックの父親の言葉に願いを取り下げ、家出を決行した。
家庭教師という職を得て充実した日々を送るキャンディの前に父親が現れた。
連れ帰られ無理やりニックと結婚させられたキャンディだったが、子供もできてこれも人生だと思い直し、ニックの妻として人生を全うしようとする。
しかしある日ニックが浮気をしていることをしり、我慢の限界を迎えたキャンディは、友人の手を借りながら人生を切り開いていくのだった。
他サイトでも掲載しています。
R15を保険で追加しました。
表紙は写真AC様よりダウンロードしました。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
家に帰ると夫が不倫していたので、両家の家族を呼んで大復讐をしたいと思います。
春木ハル
恋愛
私は夫と共働きで生活している人間なのですが、出張から帰ると夫が不倫の痕跡を残したまま寝ていました。
それに腹が立った私は法律で定められている罰なんかじゃ物足りず、自分自身でも復讐をすることにしました。その結果、思っていた通りの修羅場に…。その時のお話を聞いてください。
にちゃんねる風創作小説をお楽しみください。
元婚約者様の勘違い
希猫 ゆうみ
恋愛
ある日突然、婚約者の伯爵令息アーノルドから「浮気者」と罵られた伯爵令嬢カイラ。
そのまま罵詈雑言を浴びせられ婚約破棄されてしまう。
しかしアーノルドは酷い勘違いをしているのだ。
アーノルドが見たというホッブス伯爵とキスしていたのは別人。
カイラの双子の妹で数年前親戚である伯爵家の養子となったハリエットだった。
「知らない方がいらっしゃるなんて驚きよ」
「そんな変な男は忘れましょう」
一件落着かに思えたが元婚約者アーノルドは更なる言掛りをつけてくる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる