MPを補給できる短編小説カフェ 文学少女御用達

健野屋文乃(たけのやふみの)

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15 かぐわしき章

天空の永遠の恋城 ~赤の色鉛筆を交換してみた~

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地上では、ど~んど~んと、恐竜さんが歩き回っていた。


「恐竜復活って夢があるよね」

と言った科学者のせいで、人類は地球での覇権を奪われてしまった。


そして、地上には凶暴な恐竜が大量出現した。

結果、生き残った人類は天空の城に逃げるしかなかった。


その1つ、恋の天使が作ったその天空の城は、いつもラブラブな天空の城だった。



*:..。o○☆○o。..:*゚*:..。o○☆○o。..:*゚*:..。o○☆○o。..:*



天空の城の幼稚園のお絵かきの時間。

くみちゃんは、じゅんくんの赤色の色鉛筆を、自分の色鉛筆と間違えて手に取った。


でもじゅん君は何も言わなかった。


だって昨日の夢の中で、恋の天使に、

「くみちゃんの赤い色鉛筆と交換してみて」

と言われたからだ。


じゅんくんは、すかさず残されたくみちゃんの赤色の色鉛筆を、色鉛筆のケースに仕舞った。


恋の天使は、さらに告げていた。

「そのくみちゃんの赤い色鉛筆にはね、くみちゃんの暗証番号が記されているの、暗証番号を手にした者だけが、くみちゃんの気持ちにアクセスできるの、だから大切に持っておくんだよ」と。


*:..。o○☆○o。..:*゚*:..。o○☆○o。..:*゚*:..。o○☆○o。..:*


10年後、色恋に目覚めたじゅんくんは、恋の天使が言った意味を、理解することになった。
その人知を超えたその効果を。


じゅんくんは、くみちゃんの気持ちにアクセスして、くみちゃんの気持ちがじゅんくんにアクセスした。


そして、まるで2人の恋の為に、この天空の城が存在するかのように、誰も2人の恋の邪魔は出来なかった。


ハッピーエンドにハッピーエンドが続く恋愛模様に、じゅんくんとくみちゃんは、もうメロメロになってしまった。


そう、ここは恋の天使が作った天空の城。

天空の永遠の恋城


ふわふわと浮かぶ天空の永遠の恋城の下では、ど~んど~んと、恐竜さんが歩き回っていた。



おしまい
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