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13 たびだちの章

メタルの使命 ~ぼくらは、夜にしか生きられない~

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ぼくはメタルで出来ている、メタルな生命体だ。


ぼくらは、夜にしか生きられない。

ぼくらが、何者なのかは解らない。


そんな事はどうでも良いんだ。

でも、ぼくらには使命がある。


ぼくは、おもちゃの棚と呼ばれるの場所から、ぼくと同じメタルな生き物の背に乗った。彼は空を飛ぶ翼竜なのだ。

ぼくは、おもちゃの棚の隣にある机の屋上に、楽々と行くことが出来た。


机の屋上に着くと、メタルなサーベルタイガーが、革製の鞄から本とノートとプリントを取りだしていた。


ぼくは大きな筆記用具を担いだ。


屋上にいたメタルな亀が、のっそのっそと近づいて、プリントを覗いた。

「そこは~そうじゃのう~う~ん、うん【5】じゃな」

とぼくに告げた。


ぼくはプリントに【5】と書きこんだ。

そしてぼくは、メタルな亀に言われるまま、たくさんの答えを書きこんだ。

かなりの重労働だった。


その使命は、深夜3時に追えることが出来た。


朝が来る寸前の暗闇の中でメタルな亀が、ぼくに説明してくれた。


「あの大きなベットで寝ている柔らかくて大きな生き物は、呪われているんじゃ」

「呪われている?」

「ほら優しそうな顔しとるじゃろ、そんな生き物は呪いを受けやすいのじゃ」


ベットに寝ている人と呼ばれる生き物は、ホント優しそうな顔をしていた。

顔立ちはまだ幼い子どもだ。


「呪いを受けるとな、精神的に追い込まれる事が次から次へと襲ってくるんじゃ」

「呪いはいつか解けるの?」

「今日解けるかも知れないし、永遠に解けないかも知れない」


ベットの人は、消耗した顔をしていた。


「我々に出来る事は、あの柔らかで大きな生き物を結界として守る事。

この部屋をあの生き物にとっての、安全地帯として守り抜く事だけだ」


夜が明けると、まだ幼い人はきつそうに目を覚ました。


そして机の宿題に目をやり、

「あっ宿題をするの忘れて・・・あれ?」

まだ幼い人は、キョトンとした。


ぼくらは夜が明けると動きを止める。

ぼくは、棚の上で動きを止めていた。


まだ幼い人は、ぼくを見てちょっとだけ微笑んだ気がした。


「ふぁいと」

僕は心の奥で呟いた。



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