MPを補給できる短編小説カフェ 文学少女御用達

健野屋文乃(たけのやふみの)

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9 なつめぐの章

「さて、次は何しよう」

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大昔、腸は、

食べて、消化して、出す。

そんな単純な生き物だった。


腸は思った。

胃が有ったらいいな、と。

それで、胃が出来た。消化が楽になった。

その楽さに、腸は緩んだ。

その次は、肝臓。

毒素を解毒出来るようになり、清らかになった。

その清らかさに、腸の気持ちは澄み渡った。

その次は、心臓。血の廻りが良くなった。
初めて体に血が廻った時のその快感に、腸は気絶した。

五臓六腑が出来た後に、

腸は、自由に動き回れる様になりたいと思った。

鰭が出来、やがてそれは手足となった。

自由に動き回れる様になった。
自由に動ける・・・・その面白さに、腸は躍動した。


腸は、もっと要領よく生きたい。と思った。

脳が出来、知性を手に入れた。

腸は知的好奇心に熱狂した。

腸、ハッピー♪ヽ(゚◇゚ )ノ

腸は思った。

「さて、次は何しよう」



おしまい




追伸・・・・


生き物としての主導権を腸は、

脳には渡していない。

腸は、第二の脳なのではない。

脳は、腸から委託されているに過ぎない。

実際、腸は脳とは別系統で独自に動いている。

人の意識 = 脳 

だとすると人にとって腸とは、何?


最後に、腸からの伝言で、お別れしたいと思います。

腸、ハッピー♪
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