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4 まっしぐらの章
ベットの下の紙飛行機
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その子は、ベットの下に紙飛行機をいっぱい隠し持っていた。
幼稚園の先生に教えてもらった、紙を7回折っただけで出来るとても単純な紙飛行機だ。
その子が紙飛行機を飛ばすことが許された場所は、幼稚園の広場だけだった。
園児が遊ぶには問題のない広さだたが、紙飛行機を飛ばすには、狭すぎた。
その子は
「いつか、もの凄く広い場所で、誰にも邪魔されず、好きなだけ思いっきり遠くへ、紙飛行機
を飛ばしたい。」
とずっと思い続けた。
子どもの想いとしては微笑ましい想いだったが、
その子は大人になっても、その思いを持ち続けた。
大人になった彼は、街からかなり離れた郊外に、大きな屋敷と広大な庭を手に入れた。
そして、屋敷の2階から思う存分、紙飛行機を飛ばし続けた。
その行為は、大の大人がやることとしては子どもじみていた。
彼の妻は困惑し、屋敷の近所の人々は見てみぬ振りをした。
そして、その場所に、文明が何度も、興亡を繰り返す程の時間が流れた。
一千年、二千年・・・と。
彼が育った街も、彼が紙飛行機を投げ続けた屋敷も、既に跡形もなくなっていた。
その場所には、文明の退行の結果、空を飛ぶことを忘れた人々が住んでいた。
ある日、大昔に彼が飛ばした紙飛行機が、奇跡的に地中深くから、発掘された。
人々はそれが鳥の様に、空を飛ばせる事を発見した。
その紙飛行機は、すぐに復元され広い広場で、飛ばされた。
空を悠々と飛ぶ紙飛行機に、人々は歓喜した。
そして、人々は空を飛ぶ夢を語り始めた。
19世紀末、人々が空を飛ぶ夢を語った時の様に・・・
おしまい
幼稚園の先生に教えてもらった、紙を7回折っただけで出来るとても単純な紙飛行機だ。
その子が紙飛行機を飛ばすことが許された場所は、幼稚園の広場だけだった。
園児が遊ぶには問題のない広さだたが、紙飛行機を飛ばすには、狭すぎた。
その子は
「いつか、もの凄く広い場所で、誰にも邪魔されず、好きなだけ思いっきり遠くへ、紙飛行機
を飛ばしたい。」
とずっと思い続けた。
子どもの想いとしては微笑ましい想いだったが、
その子は大人になっても、その思いを持ち続けた。
大人になった彼は、街からかなり離れた郊外に、大きな屋敷と広大な庭を手に入れた。
そして、屋敷の2階から思う存分、紙飛行機を飛ばし続けた。
その行為は、大の大人がやることとしては子どもじみていた。
彼の妻は困惑し、屋敷の近所の人々は見てみぬ振りをした。
そして、その場所に、文明が何度も、興亡を繰り返す程の時間が流れた。
一千年、二千年・・・と。
彼が育った街も、彼が紙飛行機を投げ続けた屋敷も、既に跡形もなくなっていた。
その場所には、文明の退行の結果、空を飛ぶことを忘れた人々が住んでいた。
ある日、大昔に彼が飛ばした紙飛行機が、奇跡的に地中深くから、発掘された。
人々はそれが鳥の様に、空を飛ばせる事を発見した。
その紙飛行機は、すぐに復元され広い広場で、飛ばされた。
空を悠々と飛ぶ紙飛行機に、人々は歓喜した。
そして、人々は空を飛ぶ夢を語り始めた。
19世紀末、人々が空を飛ぶ夢を語った時の様に・・・
おしまい
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