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4 まっしぐらの章
電車の中で見た白昼夢
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昼下がりの空いた電車の中で、
白昼夢を見た。
私の耳元で、優しげな人が
「力の限り走り続けて、力尽き倒れこんだ所が、あなたの場所よ。」
と、ささやく様に言った。
そして私は目を覚ました。
ほんの一瞬の夢だった。
そんな事を言われたからと言って、すぐに力の限り走り出すほど、私は素直な人間では無かった。
ただ『あなたの場所』と言われた場所が、どんな場所なのかは知りたくなった。
ある日、高原にある駅を降りたとき、目の前にまっすぐ伸びる道が、私の視界に入ってきた。
私は、その道に何かを感じた。
そして、
「この道の先に、白昼夢で優しげな人が言っていた『あなたの場所』が在る。」と心の中で何かが言った。
私は持っていた荷物を、置き去りにして走り出した。
1時間
2時間
3時間と走り続けた。
私は意識が朦朧としながらも、走り続けた。
「まだだ・・・まだだ。」
と、心の中で何かが言った。
気がつくと、力尽きた私は倒れこんでいた。
『力尽きて倒れこんだ場所があなたの場所よ。』
と、あの優しげな人の言葉を思い出した。
私の周りには、春の花が咲き乱れていた。
私は、春の花のすがすがしい香りをかいだ。
私は生まれて初めて、春と言う季節を実感した気がした。
おしまい
白昼夢を見た。
私の耳元で、優しげな人が
「力の限り走り続けて、力尽き倒れこんだ所が、あなたの場所よ。」
と、ささやく様に言った。
そして私は目を覚ました。
ほんの一瞬の夢だった。
そんな事を言われたからと言って、すぐに力の限り走り出すほど、私は素直な人間では無かった。
ただ『あなたの場所』と言われた場所が、どんな場所なのかは知りたくなった。
ある日、高原にある駅を降りたとき、目の前にまっすぐ伸びる道が、私の視界に入ってきた。
私は、その道に何かを感じた。
そして、
「この道の先に、白昼夢で優しげな人が言っていた『あなたの場所』が在る。」と心の中で何かが言った。
私は持っていた荷物を、置き去りにして走り出した。
1時間
2時間
3時間と走り続けた。
私は意識が朦朧としながらも、走り続けた。
「まだだ・・・まだだ。」
と、心の中で何かが言った。
気がつくと、力尽きた私は倒れこんでいた。
『力尽きて倒れこんだ場所があなたの場所よ。』
と、あの優しげな人の言葉を思い出した。
私の周りには、春の花が咲き乱れていた。
私は、春の花のすがすがしい香りをかいだ。
私は生まれて初めて、春と言う季節を実感した気がした。
おしまい
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