MPを補給できる短編小説カフェ 文学少女御用達

健野屋文乃(たけのやふみの)

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1 はじまりの章

白鷺が悲しみを持っていった。

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白鷺(しらさぎ)が悲しみを持っていった。


白鷺が地上の悲しみを、一つ一つ丁寧に銜えて、

大空へ羽ばたいて行った。

そして、地上から、悲しみが無くなった。
悲しみの無くなった地上は、楽園となった。

時が流れ、人々は自らの心に、

何かが足りない事に気づき始めた。

もちろん、それが悲しみである事を、誰もが知っていた。

でも、誰も白鷺から、

悲しみ取り返そうなどとは、しなかった。

誰も好き好んで、嘆き悲しみたい人などいやしない。

人々は、川辺で佇む白鷺を、ただじっと見つめていた。


おしまし
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感想 8

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