RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第十五篇第一章 篩分の門番

試練を超えた先に

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シグマはボロボロの身体を押して前に出る。

眼前に立ちはだかる強者を超えて仲間達との
絆をチカラに変えて試練を超える。

其の身体が躍動を果たす刻、彼は自身の限界
という枷を取り払って行くのだろう。



「絶技……」



鍛錬場が激しく波動で揺れる中、彼の声から
其の覚悟が染み渡り響きを上げる。

そして、螺旋状に吹き荒れる萱草色の竜巻に
乗ってディルを目指すシグマ。

槍の先端を突き出した様は、ユニコーンとの
融合を果たし加速を続けて行く。



 螺旋槍破・瞬一閃らせんそうは・またたきいっせんッッ!!!!」



身を屈めて竜巻に乗ったシグマの突進技。

其れに対してディルは避ける事を選ばない。

唐紅色の流水を其の刀に宿してディルは其の
一撃を正面から迎え撃って見せた。

其の一撃の衝撃が突風と成り駆け抜けた。

タイミング的には総ての鍛錬場に於いてほぼ
同時に決着の刻が訪れていたのだ。



「フフフ……お前の覚悟……しかと受け取ったぞ…シグマ・オルフェアス………」


「なーにいうてんねん…ボケがァ………アンタ…無傷やないかい……バケモンが……」



背中から大の字に倒れたシグマ。

其れを見下ろすディルは笑みを浮かべる。



「シグマッ……!」


「シャーレッッ!!」


「ポアラ様……っ!!」



其の戦いを見届けたロード達が声を上げる。

そして、其の声に反応したのはディルであり
リゼアとソフィアに向けて声を放つ。



「フフフ……扉は開いた。リゼア…ソフィア…篩い分けは終わりだ……見事、全員に突破されてしまったがな……」


「某は全力で戦った……総ては此の者達の強さである……」


「仲間の為……此の子達はきっとまだまだ強くなる……最終決戦に向けて外せない戦力として成長を見せたわね」


「フフフ……バルモアの姫君よ。此の者達の治療は任せていいだろうか…?」


「は、はいっ!!」



慌てて飛び出したロードとレザノフは三人の
身体をそっと起き上がらせシェリーの元へと
連れて行くと並んで寝かせる。

両膝を付いたシェリーは三人の回復を始めて
桃色の光を手のひらから放った。



「皆様も…この後で順番に治します…ちょっとだけ待っていて下さい……」


「フフフ…私達は無用だ。其れよりも旅籠へと向かい…準備を進めねばならぬのでな」


「なあ、ディル……」


「何だ、ロード……」



背を向けたディル達に対してロードから声が
掛かると立ち止まるディルの姿があった。



「ランス達を先にいかせたろ…?そこで何が待ってるってんだ…?」


「フフフ……其れは行けば解る……私達からの花向け……贈り物という所だ……」


「おくりもん……?」



シャーレ達の回復には時間が掛かる。

其れに対してディル達は先へと向かう必要が
ある為だろう、ディルは一人の女性に突然に
声を掛け始ると其の女性がまるで忍者の様に
突如として其の場に姿を現した。


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