RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第十五篇第一章 篩分の門番

宝精ポアラvs翼竜ソフィア

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双剣小太刀を振るい軽々と地を蹴ってポアラ
を狙う死蜘蛛狂天幹部・ソフィア。

ポアラは其の攻撃をエメラルドの拳で弾いて
応戦を計り拳の一撃でソフィアを空中へ向け
打ち飛ばして見せた。



「………重たい拳…火の街で戦った時より数段、格を上げたようね」


「そんなのあったりまえっ!アタシだっておまけじゃいられないものっ!!」


「意気を認めてあげる……行くわよ?此処からが本番……ッ!!」



ソフィアの身体が変貌して行く。

古代の翼竜プテラノドンの翼と冷たい冷気を
纏い氷の様に変化して行く其の肌。

そして、両肩にプテラノドンの嘴の様に肩を
守る肩当てを有して翼を広げた。



「氷雪覚醒……“制空氷翼ドミネイトウィング”…………」



ポアラは其の覚醒を見届け妖精の羽根を広げ
宙を蹴る様にソフィアへと向かう。

そして、ソフィアの翼がはためくと共に空中
から降り注ぐ氷刃を躱して行く。



「見切りの良さ……覚醒のステージを使いこなして来ているのね……貴女は…政府に盾付く事が怖くないの?」


「怖いに決まってるでしょっ!!」



引いた腕から強烈な拳圧を放ちソフィアへと
右拳を向けたポアラの一撃はソフィアの武器
に依って受け止められてしまう。



「そうね…負けたら貴女も只の犯罪者…汚名を背負って歴史に名を刻まれてしまう…其の恐怖はやはり拭えないでしょうね」


「でも…だからって……座って待ってろって?そんなの性に合わないし……負けるって決まってるワケでもないッ!!」


「……其れは違う。勝てば全てが丸く収まる訳じゃない……戦争というのは何方かが正義で何方かが悪な訳では無いの。勝っても未来は無いかもしれない……負けてしまえば勿論の事よ」


「………かもね。でもそれって……進んでみなきゃわからないじゃんっ……不安に押し潰されるぐらい怖いなら……自分の目で見てから決める……アタシはそう決めたッ!!」



ソフィアは冷たい息を放つ。

すると、天に冷気を纏った雲が顕現された。



「なら…其の未来を見る為の権限を…今此処で勝ち取って見せなさいッ!!」



ソフィアはそう叫び双剣小太刀を押し込んで
ポアラの身体を地へと堕としに掛かる。

其れと同時に雲が氷点を極めた。



「絶技…… 天空舞翼・氷霧乃氷柱てんくうぶよく・ひょうむのつらら………ッ!」



雲から発せられた幾千程の氷柱が圧倒的な程
に鋭さを持ってポアラへと襲い掛かる。

そして、其の全てがポアラを地へと堕とす事
に全霊を掛けて降り注いで行った。



「チカラ在る者だけが理想を語る事の出来る此の時代……動く勇気を持つのなら…必ず其処から這い上がって来なさい……ポアラッ!」



氷柱が突き刺さる鍛錬場の地に背中から倒れ
瞼を閉じたポアラに其のソフィアの声は届く
事は在るのだろうか。

限界を超えなければ其れは叶わない。
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