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第十五篇第一章 篩分の門番
迫られる選択の刻
しおりを挟む「フフフ……ようこそ諸君。懐かしい顔と初めましての顔と…様々に揃っていてくれて感謝をしなければならないな……」
フードを外して不敵に笑った死蜘蛛狂天幹部
ディル・ウォンリザードの言葉に身構える者
も居たがロードだけが緩りと前に出る。
「アンタ達の話の前に……やっぱり一個だけ訊かせて貰っていいか?」
「………フフフ、私が答えを持つならな」
「アンタは俺を護ってくれてたらしい…んでその依頼者が……アラネア、って人だ…結局アラネアって人はなにモンで…アンタは味方なのか?」
「…………フフフ……フフ…さて、どうしたものか……詳しくは全てが終わった刻に話そうと思っていた……だが、此れだけは言えよう…アラネア無くしてロード、お前も…お前の両親も今此の世には居ないだろう……そして、私が味方かは…お前が自由に判断すると良い…」
ディルの言葉が其処で途切れた。
そして、其の言葉を聞いたロードは驚いた様
な表情は見せずにただ、笑顔を浮かべて言葉
を投げ掛けて見せた。
「……そっか!わかった……アラネアって人に感謝しなくちゃな。ドコに行きゃあよその人に…会え…………」
ロードの言葉の途中に俯いたリゼアと首を横
に小さく振るディルの反応に戸惑いを見せた
ロードは言葉を止める。
「………フフフ、話を此方側に戻して構わないか?ロード…」
「……あッ…ああ。悪かった……」
バツが悪そうに言葉を発したロードの表情を
一瞥したディルが口を開いて行く。
「周知の通りだろう…六撰将と名乗る皆…国王殿が国家反逆罪に問われて捕縛された。君達は戦いの刻を迎える事になる」
ディルの言葉に耳を傾ける一同の表情が段々
と強張り決意を表すかの様に黙り込む。
「そして…ロード。君は両親の為にどう動く?」
「……まだなんも話せてねぇ…救けにいく以外に選択肢なんかねぇよ」
「フフフ……想定通りの言葉だ。では次に問おう…バルモア王女シェリー姫よ……貴女は此の戦いをどう見ている?」
「……はいっ!私にとってロード様は恩人であり友人…助けになるのならどんな苦難をも越えて見せます…!」
「其れが両国間での問題に発展しても…と捉えて良いのかな?」
「………はいっ。元々、私達にとってもプレジアとの関係性を取り戻す為の来訪でした。その好機とも私達は見ています…」
シェリーの言葉に其の一歩後ろに控えていた
レザノフまでもが深く頷いて見せる。
「成る程、利得は在る。フフフ……二人の気持ちは理解した……さあ…後は君達三人に覚悟は問わねばならないだろう……」
ディルの視線が本当に緩りとシャーレを始め
にポアラ、シグマへと移って行く。
「……関係性は聞いた。ロードの友人であり仲間……君達は其の立場で国家の問題に首を突っ込めるのか……?」
ディルが三人に覚悟を問うた。
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