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第十四篇第三章 最悪の顛末
見据えるべき現実
しおりを挟む「何をワーワーと騒いどるんだのう…ロード…外まで丸聞こえだってぇの」
「ランス……父さん達が………」
振り絞る様に声を出したロードに対しランス
は表情等、一切変えずにこう、話した。
「……ロード、俺等が何で水面下に潜りわざわざ六撰将なんてモンを立ち上げたと思っとるんだってぇの……お前の親父さんも俺等もコノ状況を予測しとった」
「……なんだって…?」
其の言葉にロード達は静まり返る。
そして、ランスが続ける。
「俺等が国王様と描き上げた“絵”の画竜点睛を済ませるんは…今だって言ってんだってぇの……だからコノ十日は…総仕上げの前段階だろうのう……」
「絵…?仕上げ…?ワケわかんねぇよ…なんで処刑の事まで予測できてやがった…?」
ロードは混乱の境地に居る。
ランスが話す言葉の総てに疑問符を感じて
しまう今の心持ちでは理解は遠いだろう。
だがしかし、ランスから明確な指示が飛ぶ。
「取り敢えずは…出発の準備を全員整えるんじゃ今からのう…俺等は一度…空の街スカイニウムへと向かう」
「空の街……?王都じゃなくてかよ…父さん達は王都に捕まってる……救けに行くならなんでそんな寄り道すんだッ!!」
ロードの言葉にレザノフが声を放つ。
「プレジア政府は…処刑日を十日後とわざわざ公開致しました…。此れは恐らく…いえ十中八九……プレジア国王の関係者達を誘き出す為でしょう……」
「其の通りじゃ……んでもって其の関係者っちゅうんは俺等のコトだのう……だから其れに乗るんだってぇの……しかも此の十日を有意義に使っての」
ロード達は目を丸くしていたが、ランス等に
とっては漸く訪れた好機と捉えているのかも
しれないと感じたシャーレ、ポアラは直ぐに
行動を開始しようと心を決める。
「………姫様、姫様の御意志とあらば…私は此の戦いに身を投じます…如何…致しましょうか……?」
「ロード様のピンチに無関係なんてコトはありません……もちろん、お手伝いします…!」
「……なんや、ソレでええんならゴチャゴチャ小難しいコトいらんかったやんけ…ワイも行くで…!」
「みんな……ッ!」
バルモア勢の熱の上がり方にロードもやっと
表情をほんの少し緩ませていた。
そして、此処でランスから声が飛ぶ。
「後、此れだけは伝えておこうかのう……空の街スカイニウムにはとある呼び出しがあったから向かう……呼び出し人は…あの死蜘蛛狂天の幹部達だってぇの……」
「「…………ッ!」」
一斉に驚きを見せたロード達の頭の中に彼等
の顔が順番に浮かんで行く。
最後の刻を目前に控えて動き始めたのは何も
政府の人間達だけではない。
ロード達、そして六撰将、バルモアの面々も
其々が前を向いて歩き始める。
そして、其の先に待つのは物語に何度も混迷
を齎して来た死蜘蛛狂天。
さあ、最後のピースを此処に記して行こう。
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