639 / 729
第十四篇第三章 最悪の顛末
選択肢の無い未来
しおりを挟む「ガズナ……お前はプレジアをどうするつもりなんだ?」
「どうするつもり…じゃと?」
ストラーダからの問い掛けにガズナは表情を
ピクリと動かし段々と怒りを滲ませる。
「元ある姿に戻すだけじゃよ……貴様が泥を塗り腐敗させた此の国をのうッ!!」
ガズナの言い放った言葉にストラーダは言葉
を呑み込んで前へと歩き出す。
「待て……ストゥ……行ってはならない…」
「ごめんな、ディル。でも…行かなきゃサーラだけが殺されちまう………」
「何も出来ないのか……ッ…」
唇を噛んだディルが俯く間にストラーダの足
はガズナの正面へと辿り着いていた。
そして、宰相警護特命衛士のアダムに依って
首輪が嵌められイヴに依って手枷が後ろ手に
施されるとサーラと共に並ぶ。
「サーラ……こんな形の再会で済まない…」
「ストゥ……ごめんなさい。私こそ……こんなヘマをしてしまって……」
其の言葉を訊きながらガズナは勝利を確信し
表情を緩ませながら口を開いた。
「永かったのう……ここまで。後一歩じゃ…後たったの一歩で此の国は美しい様を取り戻し…薄汚い王家の呪いから解き放たれる…」
「ガズナ……お前が暗躍していた事は知っていた……だが、お前のやり方では…強く反発を生むだけだ…」
「黙るのじゃッ!!薄汚れた謀反人からの言葉等…もう訊くのはごめんじゃよ……貴様等は此の国を弄び裏切った……其の末路は貴様でも解るじゃろうて……」
其の言葉にストラーダとサーラは唇を噛む。
「ガズナ様、此の後は予定通りで構いませぬか?」
「ああ、手早く根回しを済ませるのじゃ。此の者達の罪を全国に紙面で表明し…民達の反感を募らせる…そして…決行じゃ…ッ!」
「御意…其れでは約十日後を決行日と致します……イヴ。俺は戻り次第…記者各人に此の事実を伝えに回る」
「ええ、私は…其の十日後に合わせて政府の戦力を掻き集めます。あの裏切り者達も纏めて始末する為に……」
宰相と宰相警護特命衛士達の会話が耳に入り
理解していたとはいえ、身体に熱が篭り始め
感情が湧き上がって来る者が居た。
「……………やはり、やらせる訳には行かぬ」
ストラーダ達の背後から聞こえて来た其の声
は震えと怒りを帯びて前を向く。
「何じゃ……御主もまた…政府の傀儡の分際で此のワシらに逆らおうと言う腹積もりなのかのう…?」
「傀儡、だと……私達は常に自由の中で動いているのだ…勘違いをするな…」
「自由じゃと?笑わせおる。立場、力無き者に自由等ありゃあせんわッ!!」
ディルにとって、そしてアラネアにとっても
更に言えば死蜘蛛狂天にとっても、自由とは
切って切り離せぬモノだ。
其れを馬鹿にされて黙っていられる余裕など
ストラーダ達を奪われたディルにとって在る
筈も無く、激昂の中、抜刀を見せる。
20
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる