RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第十四篇第三章 最悪の顛末

選択肢の無い未来

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「ガズナ……お前はプレジアをどうするつもりなんだ?」


「どうするつもり…じゃと?」



ストラーダからの問い掛けにガズナは表情を
ピクリと動かし段々と怒りを滲ませる。



「元ある姿に戻すだけじゃよ……貴様が泥を塗り腐敗させた此の国をのうッ!!」



ガズナの言い放った言葉にストラーダは言葉
を呑み込んで前へと歩き出す。



「待て……ストゥ……行ってはならない…」


「ごめんな、ディル。でも…行かなきゃサーラだけが殺されちまう………」


「何も出来ないのか……ッ…」



唇を噛んだディルが俯く間にストラーダの足
はガズナの正面へと辿り着いていた。

そして、宰相警護特命衛士のアダムに依って
首輪が嵌められイヴに依って手枷が後ろ手に
施されるとサーラと共に並ぶ。



「サーラ……こんな形の再会で済まない…」


「ストゥ……ごめんなさい。私こそ……こんなヘマをしてしまって……」



其の言葉を訊きながらガズナは勝利を確信し
表情を緩ませながら口を開いた。



「永かったのう……ここまで。後一歩じゃ…後たったの一歩で此の国は美しい様を取り戻し…薄汚い王家の呪いから解き放たれる…」


「ガズナ……お前が暗躍していた事は知っていた……だが、お前のやり方では…強く反発を生むだけだ…」


「黙るのじゃッ!!薄汚れた謀反人からの言葉等…もう訊くのはごめんじゃよ……貴様等は此の国を弄び裏切った……其の末路は貴様でも解るじゃろうて……」



其の言葉にストラーダとサーラは唇を噛む。



「ガズナ様、此の後は予定通りで構いませぬか?」


「ああ、手早く根回しを済ませるのじゃ。此の者達の罪を全国に紙面で表明し…民達の反感を募らせる…そして…決行じゃ…ッ!」


「御意…其れでは約十日後を決行日と致します……イヴ。俺は戻り次第…記者各人に此の事実を伝えに回る」


「ええ、私は…其の十日後に合わせて政府の戦力を掻き集めます。あの裏切り者達も纏めて始末する為に……」



宰相と宰相警護特命衛士達の会話が耳に入り
理解していたとはいえ、身体に熱が篭り始め
感情が湧き上がって来る者が居た。



「……………やはり、やらせる訳には行かぬ」



ストラーダ達の背後から聞こえて来た其の声
は震えと怒りを帯びて前を向く。



「何じゃ……御主もまた…政府の傀儡の分際で此のワシらに逆らおうと言う腹積もりなのかのう…?」


「傀儡、だと……私達は常に自由の中で動いているのだ…勘違いをするな…」


「自由じゃと?笑わせおる。立場、力無き者に自由等ありゃあせんわッ!!」



ディルにとって、そしてアラネアにとっても
更に言えば死蜘蛛狂天にとっても、自由とは
切って切り離せぬモノだ。

其れを馬鹿にされて黙っていられる余裕など
ストラーダ達を奪われたディルにとって在る
筈も無く、激昂の中、抜刀を見せる。


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