RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

文字の大きさ
上 下
638 / 729
第十四篇第三章 最悪の顛末

悪夢の再会

しおりを挟む





そして、ニヤリと笑みを浮かべたガズナの手
に握られていた鎖が無造作に引かれる。

すると後ろ手に拘束され鎖に繋がれた首輪に
体勢を崩し一人の赤髪の女性がガズナの足元
に膝まづく形で姿を見せた。



「…………まさか…」



ストラーダの驚愕の表情にガズナはまるで
其の表情が見たかったのだ、と言わんばかり
に不敵な笑みを浮かべる。



「まさか…とは失敬ですぞ。国王様……貴方が生涯の中で唯一愛した女性じゃろうて…」


「…………サーラッ……」


「そうじゃ。サーラじゃ……サーラ・ヘヴンリー……探すのに本当に手間取った……此奴はどんな手を使ったか解らぬが…バルモア王家ノスタルジアの侍女として王宮に入っておった……じゃが、遂に身柄を捕らえた……此の意味が解るじゃろう?国王様…いや大罪の謀反者…ストラーダ・ケーニッヒッッ!!」



サーラは俯いたまま顔を上げずストラーダも
また、拳を握り締め身体を震わせた。



「貴様の歴史にポッカリと空いた空白の十年間……漸く其の真実を手に入れたんじゃ…ワシらはな……薄汚れた罪を隠し、此れ迄ワシらプレジアの民を騙し続けた罪は重い……危うく混血の国王が生まれるトコじゃったわ」



ガズナの言葉にストラーダとサーラはピクリ
と反応をしてしまう、其の反応こそがガズナ
にとって此処最近の政府内で騒がれ台頭して
来た青年の真実を手繰り寄せる事となる。



「ロード・ヘヴンリー……あの男が貴様等の子供である事はもう…言い逃れ出来んぞ」



ガズナの言葉は二人に絶望を与えた。



「さあ、終わりにするのじゃ。薄汚れたケーニッヒ王家の時代を…総ては貴様が王家を身勝手で離れ…好き勝手に生きた事が引き金を引いたのじゃ……此の顛末こそ…現実じゃよ。ストラーダ……ッ!!」



ガズナが話し終えると男女一人ずつの側近が
鎖に繋がれた首輪と手枷を用意し前に出る。



「手間は取らせんで下さい…もう充分に人生の愉悦は愉しんだでしょう?」


「国王様…貴方の時代を終える事により私達にとって…真実の豊かさが此の国に繁栄するのです……」



ガズナの左右から現れたのは選抜され宰相の
警護役を務める“宰相警護特命衛士さいしょうけいごとくめいえじ”。

身なりの良いスーツ姿に垂れ目と白い手袋が
特徴的な男性アダム・リスキーノ。

同じくパンツスーツ姿に眼鏡を掛け才女感を
漂わせる女性イヴ・パルテナス。

両者は宰相警護特命衛士という肩書きを持つ
傍らで政府内の重要な役目を担っている。

共にケーニッヒ王家誕生の三百年前より王家
に尽くし代々其の家系が部門を背負う。

リスキーノ家は代々、政府内、そして国家の
財政を担う財務大臣の座。

パルテナス家は代々、国家の持つ環境保全に
務めて来た環境大臣の座。

此の両家に防衛省のトップ、テラモーノ家と
法務省のトップ、レイノルズ家。

此の四家を含め残り二つの家柄を足した六家
こそ王家を支えて来た功労者の家系である。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

処理中です...