RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第十四篇第二章 大蜘蛛を背負う者

感恩戴徳の日々 “祝宴”

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「………大盛り上がりだな…」



そんな歓喜の輪の中にまた一人ストラーダ達
の元に訪れた人間がいた。



「おうっ!ディル……わざわざありがとな。来てくれてよ」



ストラーダに名前を呼ばれた人間こそ現在の
死蜘蛛狂天三大幹部ディル・ウォンリザード
であり、其の十七歳の頃だった。



「アラネア…頼まれたモノは全て馬に引かせて持って来たぞ…」


「ご苦労ご苦労ッ!!んじゃま……祝宴と行きますかァァ!!」


「待ってたってえのうッ!!」


「御めでたい事ですからね」



アラネアが大声を上げると其のノリにランス
とガスタが付いて行き、ストラーダとサーラ
も笑顔で其れを見守っていた。



「……じゃあ、酒と食料とかは運んで私はお暇させてもらうよ…リゼアが一人で大変だからね…」


「チッチッチッ……そいつァ間に合ってる。リゼアから今日はハネを伸ばさせてやってくれって…言伝預かってっからよォ……」



ニヤリと笑ったアラネアを見てまた勝手にと
呆れた表情を見せるディル。



「アラネア……貴方はいつもいつも……」


「ロードくぅん!!アラネアおじちゃんでちゅよーーッ!!」


「キャッキャッ!!」


何かを言い掛けたディルを尻目にアラネアは
サーラに抱かれた赤子のロードに全身全霊の
べろべろばあを披露していた。



「まあ、イヤじゃなけりゃゆっくりしてってくれよ…ディル」



ストラーダに肩をポンと叩かれたディルは
呆れた様に肩を落として其れを受け入れる。

すると、何かを思い出した様に家の外へ歩を
進めて行ったディルが何かを持ってサーラの
元へと戻って来るのだった。



「サーラさん、騒がしくしてスミマセン…此れ…お祝いの花と…せっかくなので新しい花瓶を」


「あら、ステキっ!ディルくん…すっごく気が回るんだね…ありがとっ!」



意外にも此の場では最年少のディルが周りの
大人達よりもしっかりしている様だ。

そして、また一つディルから提案がある。



「…台所、お借りしてもいいですか?アラネア達は飲む専門だと思うので……」


「ディルくんって……料理出来るのっ!?」


「……ええ、まあ。アラネア達はお酒とか運ぶのだけやって先に始めてていいですから」



そう言ってスタスタと台所へと向かい何やら
作業を始めるディルを見てサーラが溢す。



「あらあら…ディルくんって絶対にモテるわ…うん、間違いない」



ディルの以外な側面を見たサーラが驚いてる
中でアラネア達は早速家の外にテーブルやら
を準備して真っ先に酒瓶を用意し始めた。



「ストゥも飲んで来たら?最近、あんまり休めてなかったでしょ?」


「あ、ああ。でも俺……下戸だかんなあ」


「ふふ…ロードも…大人になったら下戸なのかなあ?ねぇ」



二人に囲まれた笑顔で手足をバタバタさせる
ロードはサーラの言う通り、下戸に成長する
が其れはまあ、置いておいていいだろう。

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