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第十三篇第四章 暁光の聖天使
鳳凰ロードvs天照グレイ
しおりを挟む遂に、因縁の戦いが幕を開ける。
シェリー覚醒を機に裏帝軍幹部達を撃破した
ロード側からすれば此の危機を脱却するには
眼前のグレイ打倒が求められる。
其の中で、一対一での決闘を買ったロードと
迎え撃つグレイが同時に大地を蹴り上げる。
すると、ロードの刀には真紅の炎が。
グレイの薙刀には紺碧の焔が纏われる。
紅と蒼、対を成す業火のギフトが両者の武器
が交わると同時に熱量を上げて膨れ上がる。
「ハッ……ちょっと見ねェ間に……腕上げやがったかッ!?テメェ…!!」
「まだまだ成長期なんでね…ッ!!」
鍔迫り合いの状態でニヤリと笑みを浮かべた
グレイの表情とは対照的に鬼気迫る様な表情
を浮かべたロードが刀を振り切る。
刀が振り切られるとグレイの薙刀をロードの
爆炎纏う刀が押し切り、グレイを武器もろ共
背後へと吹き飛ばした。
だが、グレイは後方宙返りの要領で空中にて
態勢を建て直すと、片手を伸ばしてギフトの
チカラを練り上げて放つ。
すると、ロードの足元から紺碧の火柱が熱を
持って天を目指して巻き上がる。
「……あっぶねッ……!」
ロードは真横に身体を敢えて転がして受け身
を取りつつ回避するが、其処にグレイの追撃
が待ち構えていた。
「ハッ……しっかり此れも躱せよッ!?」
薙刀を振り下ろしたグレイの攻撃をロードは
膝を着いた状態で身を捻って避ける。
だが、ロードは其れだけでは終わらない。
此の体勢からカウンターを仕掛けようと直ぐ
様に刀の鋒をグレイに向け膝を伸ばす。
其の動作と同時に刀の鋒がグレイの顔面付近
に向けて一気に突き付けられた。
「もらったァァ!!」
ロードは確信を持って攻めたがギリギリの所
でグレイは首を動かして避ける。
だが、避けきれずに頬を掠めた刀の鋒の影響
でポタポタと鮮血が滴り落ちた。
一瞬、静寂に包まれる両者間の空気。
其処で傷を自覚したグレイが頬から滴り流れ
首元から地面に落ちゆく血を舌を伸ばし舐め
取って見せるとニヤリと笑みを浮かべる。
其の狂気じみた表情にロードは一握の恐怖を
垣間見た様に背後に慌てて跳んでグレイとの
距離を取った。
「ハッ……ハハハ……あん時は取るに足んねェ…雑魚だと思った……だが、やっぱりな…鳳凰のチカラを目覚めさせたのは…伊達じゃねぇなッ……!」
「ニャロウ……頭イカれてんのかよッ…軽くでも斬られて…そんな笑いやがって……」
「生言ってんじゃねェよ……此の愉悦を差し置いて……生を実感出来るモンが他にあんのかァァ!?」
「…………マジでどんな生き方してたらそうなんだよッ……戦い以外に…生を実感するモノ?………数え切れねぇほど、あるに決まってんだろうがァ!!!?」
ロードは唇を噛み締めながら刀にまた真紅の
炎を纏い其の炎が唸りを上げる勢いで大地を
蹴り上げグレイに向かって行った。
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