RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第十二篇第四章 烈しさを増す大事件

白炎斬り裂く雷霆の獅子

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「来いよッ…!」



アルマを包んだ白炎が熱気を帯びて熱量を
上げて行くのが見える中、迫り来るアルマの
攻撃に目を細めて真っ向から打ち破る体勢を
取った護国師団反乱軍総長エルヴィス。

アルマの性分からして其の受け止め方を本意
で在り胸を躍らせるモノだった様で彼の表情
に浮かんだ笑みを打ち消す事は出来ない。

目の前に迫るアルマの大柄な身体の三倍以上
に膨れ上がった白炎がエルヴィスに向かって
トンファーと共に放たれる寸前に其の白炎が
一瞬で圧縮される。

そして、トンファーの殴打が放たれると共に
更なる大きさと質量を誇って白炎の猛火が
エルヴィスへと襲い掛かった。

しかし、エルヴィスは落ち着いた表情で片方
の剣を斜め下から振り上げるとアルマの放つ
白炎が剣と触れると共に何処かへ消えた。



「……あァ?炎は…?ドコへ消えやがった…」


「相殺したんだよ。同じぐらいのギフトのチカラをぶつけてな」


「そんな微量なチカラのコントロールがこの一瞬で出来てたまるかってんだァ…!」



アルマの言葉が綴じられるのとほぼ同時に
エルヴィスはもう片方の剣を脇の辺りから
水平に薙ぎ払いながら静かに中将アルマの横
を通過し背後へと抜けて行く。



「其れが出来っから…此処に居るんだぜ?」


「ぐっ…貴様ァ…ッ!」



言葉を放ち終わるのを待っていたかの様に
エルヴィスの攻撃のダメージが中将アルマの
身体に見て取れる様になった。

脇腹から噴き出す多量の血飛沫をまるで背景
にエルヴィスは背中を向けた儘、眼前を其の
目で見据えて微動だにしない。

片膝を着きそうになる程の重傷を負うアルマ
だったが何とか振り返りエルヴィスに向けて
白炎の咆哮を放とうと息を吸い上げる。

しかし、背を向けた儘のエルヴィスの身体を
覆うかの様に金色の雷を纏う獅子のオーラが
中将アルマに声を上げて威嚇した。



「身体が…ッ…動かんッ……だと…?」


「獅子は百獣の王。其の雄々しき姿が放つ威嚇は相手を怯ませる。此れが俺とテメェの格の差だ…ッ…!」



背を向けた儘、放たれたエルヴィスの言葉に
アルマはガックリと肩を落とし遂には其の膝
を大監獄の床に着けてしまう。



「ココまで…遠いとはな…。どうなってんだよ…ナニが違うってんだァ……」


「アンタの言ってた通りだ…俺は焦ってる…アイツを失うかもしれない未来が怖ェからだ…だから止まれない。奪い返す迄はな」


「チッ……悪はお前らのハズなんだけどなァ…限界だぜ…チクショウが……ッ」



バタリと音を立ててアルマが胸の辺りから
大監獄の床へと臥して行くのを感じた反乱軍
総長を名乗るエルヴィスは息を吐く。

そして、其処からは言葉も無くただひたすら
にアドリーの待つ3rdフェーズへの南方階段
を目指して走り去って行った。

運命の再会を目前にしてーー。
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