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第十二篇第四章 烈しさを増す大事件
突入の2ndフェーズ
しおりを挟む大監獄プリズングァザの副署長ロアと看守長
ルミナを破った護国師団反乱軍の幹部達。
其の勢いに乗じて護国師団反乱軍総長である
エルヴィスと幹部ギルドは2ndフェーズへと
其の足を踏み入れていた。
二人が目指すのはアドリーが幽閉されている
大監獄プリズングァザの最深部3rdフェーズ
であり其の為に2ndフェーズ南の大階段へと
足を早めて居たが西から降りて来た反乱軍の
総長エルヴィスの前に新手が立ち塞がる。
「お前は確か……」
其の小紫色の羽織を纏うガタイの良い男を前
にエルヴィスは一度足を止める。
「随分と騒がせてくれたな。反乱軍。だが快進撃も此処迄だ…!」
「中将アルマ・エルクラウド。政府も此の襲撃は想定の範囲内…確実に戦力を整えて来てたワケだ」
国王直下帝国軍中将アルマ・エルクラウド。
火の街メルフレアでは元上司であり憧れの男
ガルフ・ジャッククォーツと激突した帝国軍
に五人しか居ない中将の一人。
「当然だ。だが何もこんな昼飯時に来なくても良かったろうに…腹が減ったぞ…俺は」
「フッ…なら飯食いに行ってくれるか?手間が省ける…!」
「そうも行かねぇから愚痴垂れてんだろうがい…」
中将アルマはトンファーを構えると卯ノ花色
の業火のギフトを纏い戦闘体制を取った。
其れを見たエルヴィスの身体に金色の稲妻が
迸り双剣を構えて開戦の刻を待つ。
しかし、其の開戦に待ったが掛かる。
「……直ぐに追い付く。ザックさん…先に行って例のモンを調達しといてくれ」
「悪いが、任せるよ」
「何だあ?反乱軍総長一人だけかと思ってたんがな…まだいやがったか…」
中将アルマの存在等気に掛ける事はしないか
の様にエルヴィスの声を受けて此処迄とある
目的の為に反乱軍の背後に隠れていたザック
が一気に南の大階段を目指す。
其れを見たアルマは先ず無線機を手に取って
此の状況を知らせようとしたのだが無線機が
一筋の雷撃に因って撃ち抜かれた。
「元々、こっちは部が悪ィんだ。余計な事しないで貰えるか?」
「テメェ…!ならこうだ…ッ!」
振り抜かれたトンファーから卯ノ花色の白き
猛火が駆け抜けるザックの背後へと放たれる
が、其の猛火はエルヴィスの雷撃を纏う斬撃
に因って掻き消されてしまう。
「あの人には…大事な役割を担って貰ってんだよ。させねぇぜ…!」
「(同じ中将のマリアもコイツには歯が立たなかったと聞いてる…気ィ引き締めて行かねぇとな…ッ!)」
中将アルマは一旦先へと向かったザックの姿
から目を切ると眼前の護国師団反乱軍総長を
務めるエルヴィスへと集中する。
エルヴィスもまた時間との勝負だという事も
理解した上で今回は先手を奪う為にアルマへ
向かって一気に地面を蹴ると全身に雷を纏い
双剣を振り翳して攻め込んで行った。
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