528 / 849
第十二篇第三章 激震の大監獄
大監獄看守長 ルミナ・ステュール
しおりを挟む「……ぶはっ。いやいやマジで地球生まれだしっ…語彙力やばーっ…!」
リズの一言に吹き出したルミナは腹を抱えて
ケタケタと笑い声を上げているとそんな彼女
から視線を外したリズがエルヴィスを見る。
そして、笑顔で言葉を発した。
「よくわかんないんだけどっ…エル様はアドアドのトコに向かっていいよっ?ピョンピョンはリズがやるからっ…!」
「ピョンピョン…?あー…アレ。ウサギの耳なのか?まあ、其れは良いんだが……やれんのか?リズ」
「エル様ってばリズのコト…舐めてるっ?誰がリズを幹部に指名したのかなあ……」
「……ッ!……悪かった、リズ。アドリー連れて帰ったら祝勝会だかんな…元気は残しとけよ?」
「…当然っ!」
リズに笑顔で言葉を発し一瞥したエルヴィス
がルミナの背後にある階段目掛けて走る。
既に其の瞳には立ち塞がる敵戦力等、眼中に
映る事はまるで無かった。
「あり?やばたにえん過ぎるしっ…うちのコト…アウトオブ眼中ですかーっ?金髪のおにーさんっ!!」
ルミナの発した言葉にエルヴィスは反応を
見せる事も無く階段を目指し駆ける。
其の背後から紺青色の水流の渦が巻き起こる
とルミナと共に階段を封鎖していた看守達を
纏めて呑み込んで行った。
「ピョンピョン達は…リズだけ見てればいーのっ…リズはもう…帰ってからのオレンジジュースが楽しみすぎてワクワクしてるんだからさっ!!」
紺青色の水流の渦に呑まれた看守達の上を
華麗に跳んで水流を避けたエルヴィスは地下
二階となる2ndフェーズ目指し階段へ到達。
そして、リズを振り返る事はせずに大監獄の
更に深部へと駆け抜けて行った。
其れと同時にミニスカート姿で片足を高く
天井へと振り上げたルミナの蹴りでリズの
放った水流は掻き消されて行く。
「あー…そーゆうパティーンね。金髪の人行かせるタメに…犠牲払ってく感じ…バイブス高まるねぇマジでさ…っ…!」
「犠牲?ホントさっきから意味わかんないって…リズを待ってるオレンジジュースが可哀想でしょっ?リズが犠牲になったらさ」
「ホント語彙力やばたにえんだし…大監獄看守長…鈴兎のルミナを舐めたら…おこだよっ?」
ルミナが首に付けた鈴付きのチョーカーから
小気味の良い鈴の音がブーツで床を踏む度に
リンリンと奏でられる。
そして、眼前で腕から身体に掛けて紺青色の
流水を纏いながらリズが小太刀を抜く。
「んー…なんか長いから…もうピョンピョンで決定ねぇっ!長いの覚えらんないし…覚えるホド…リズの頭の中スッカスカじゃないからさっ!」
「あー…ピョンピョンってやっぱうちのコトかあ……え?ちょマジで…かわたんなんだけど…お気に入りだし…」
決戦を前に何故かホクホクと笑顔を見せ始め
たルミナを見ながらリズもほんの少しだけの
笑顔を浮かべて見せた。
60
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
学園長からのお話です
ラララキヲ
ファンタジー
学園長の声が学園に響く。
『昨日、平民の女生徒の食べていたお菓子を高位貴族の令息5人が取り囲んで奪うという事がありました』
昨日ピンク髪の女生徒からクッキーを貰った自覚のある王太子とその側近4人は項垂れながらその声を聴いていた。
学園長の話はまだまだ続く……
◇テンプレ乙女ゲームになりそうな登場人物(しかし出てこない)
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】竜人が番と出会ったのに、誰も幸せにならなかった
凛蓮月
恋愛
【感想をお寄せ頂きありがとうございました(*^^*)】
竜人のスオウと、酒場の看板娘のリーゼは仲睦まじい恋人同士だった。
竜人には一生かけて出会えるか分からないとされる番がいるが、二人は番では無かった。
だがそんな事関係無いくらいに誰から見ても愛し合う二人だったのだ。
──ある日、スオウに番が現れるまでは。
全8話。
※他サイトで同時公開しています。
※カクヨム版より若干加筆修正し、ラストを変更しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
悪役令嬢カテリーナでございます。
くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ……
気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。
どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。
40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。
ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。
40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる