RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第十二篇第一章 退路無き救出作戦

作戦会議

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落人群にてエルヴィスの先導を受けて進んだ
ロード達の視界に入ってきた損傷のある小屋
の中にゴザを敷いて座り込む黒衣の人間達の
集団が居た。

ロードの姿を見るや否や跳び上がった一人の
女性は嬉しそうに両手を突き上げ叫ぶ。



「ラブちゃーんっ!!ひっさしぶりだねっ」


「だからラブちゃん言うなっての!!」



早々にツッコミを受けた深い青髪の女性リズ
は不思議そうに「何で?」と言いたげに首を
傾げていると奥に座り込んでいた黒髪の大男
も立ち上がりロードの肩を力強く叩く。



「ようっ!!久しぶりじゃねぇか!!」


「だぁッッ!!いてぇ…いてぇってのが聞こえてねぇのかッ!?刀狩り野郎ッ!!」



ロードの肩を力強く叩いて見せたのはロード
とも一度交戦の経験を持つギルドである。

其の光景を見て何やら不機嫌そうに足を抱え
俯いていた眼鏡の男が心の中で呟く。



「(ああ…もうっ。緊張感無いしうるさいし…陰キャにはこういう人達…敵わないよ…)」



再会を喜ぶリズとギルド、そして声を上げる
ロードを見ながら反乱軍ヒューズがそんな事
を考えているとエルヴィスが続ける。



「取り敢えず全員察してくれ…此のメンバーでアドリー奪還を目指す…大まかな作戦を説明するから適当に座ってくれ…!」


「エルヴィス…あのよ…ウィルフィン達はいねぇのか?」


「……戦いの後だ。療養中の者もいる…今は此のメンバーで戦う…其れだけの話だ」


「……だな」



ロードはエルヴィスの言葉を受けて反乱軍の
作戦会議に参加する為に其の場に座る。



「なんにしても…お姫様達までココにいるたぁな…驚きだぜ」


「ギルド…バルモアというよりは此の二人とは和解は済んでる」


「あれぇ?お兄さんは誰なのっ?」


「其の人は俺が孤児院時代に世話してくれた人だ…アドリーとも縁がある…。つーか…察しろって言ったろ…?お前等…!」



話が進みそうに無い為、恐らくシェリー達に
向けて発せられた問い掛けはイライラ混じり
のエルヴィスの早口で片付けられてしまう。

そして、漸く作戦が明かされる。



「……いいか?先ずはヒューズの話を聞いて欲しい…頼む」


「……うん。最初に話すけど僕は数年前に此の大監獄の中に捕まってたんだ…だから内部構造は把握出来ている」


「捕まってたって…アンタ…なにしたんだよっ?」


「……ロード」


「ご、ごめんなさい……」



話し始めたヒューズの話の気になった点の所
を当たり前の様に質問したロードの対しまた
脱線するぞ、と言いたげにエルヴィスからの
お叱りを受け素直にロードが謝る。



「……続けるね。大監獄プリズングァザは地上層の下に三層の地下エリアが存在していて全四層に別れてるんだけど…外と繋がってる出入り口は正面の一つだけなんだ」



ロード達はヒューズの話から脳内で大監獄の
中の想像を膨らまして行く。


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