513 / 729
第十二篇第一章 退路無き救出作戦
作戦会議
しおりを挟む落人群にてエルヴィスの先導を受けて進んだ
ロード達の視界に入ってきた損傷のある小屋
の中にゴザを敷いて座り込む黒衣の人間達の
集団が居た。
ロードの姿を見るや否や跳び上がった一人の
女性は嬉しそうに両手を突き上げ叫ぶ。
「ラブちゃーんっ!!ひっさしぶりだねっ」
「だからラブちゃん言うなっての!!」
早々にツッコミを受けた深い青髪の女性リズ
は不思議そうに「何で?」と言いたげに首を
傾げていると奥に座り込んでいた黒髪の大男
も立ち上がりロードの肩を力強く叩く。
「ようっ!!久しぶりじゃねぇか!!」
「だぁッッ!!いてぇ…いてぇってのが聞こえてねぇのかッ!?刀狩り野郎ッ!!」
ロードの肩を力強く叩いて見せたのはロード
とも一度交戦の経験を持つギルドである。
其の光景を見て何やら不機嫌そうに足を抱え
俯いていた眼鏡の男が心の中で呟く。
「(ああ…もうっ。緊張感無いしうるさいし…陰キャにはこういう人達…敵わないよ…)」
再会を喜ぶリズとギルド、そして声を上げる
ロードを見ながら反乱軍ヒューズがそんな事
を考えているとエルヴィスが続ける。
「取り敢えず全員察してくれ…此のメンバーでアドリー奪還を目指す…大まかな作戦を説明するから適当に座ってくれ…!」
「エルヴィス…あのよ…ウィルフィン達はいねぇのか?」
「……戦いの後だ。療養中の者もいる…今は此のメンバーで戦う…其れだけの話だ」
「……だな」
ロードはエルヴィスの言葉を受けて反乱軍の
作戦会議に参加する為に其の場に座る。
「なんにしても…お姫様達までココにいるたぁな…驚きだぜ」
「ギルド…バルモアというよりは此の二人とは和解は済んでる」
「あれぇ?お兄さんは誰なのっ?」
「其の人は俺が孤児院時代に世話してくれた人だ…アドリーとも縁がある…。つーか…察しろって言ったろ…?お前等…!」
話が進みそうに無い為、恐らくシェリー達に
向けて発せられた問い掛けはイライラ混じり
のエルヴィスの早口で片付けられてしまう。
そして、漸く作戦が明かされる。
「……いいか?先ずはヒューズの話を聞いて欲しい…頼む」
「……うん。最初に話すけど僕は数年前に此の大監獄の中に捕まってたんだ…だから内部構造は把握出来ている」
「捕まってたって…アンタ…なにしたんだよっ?」
「……ロード」
「ご、ごめんなさい……」
話し始めたヒューズの話の気になった点の所
を当たり前の様に質問したロードの対しまた
脱線するぞ、と言いたげにエルヴィスからの
お叱りを受け素直にロードが謝る。
「……続けるね。大監獄プリズングァザは地上層の下に三層の地下エリアが存在していて全四層に別れてるんだけど…外と繋がってる出入り口は正面の一つだけなんだ」
ロード達はヒューズの話から脳内で大監獄の
中の想像を膨らまして行く。
40
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)
幻田恋人
恋愛
夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。
でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。
親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。
童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。
許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…
僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる