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第十一篇第四章 未来へ灯す希望の光
国王直下帝国軍大将 アーク・クオンタム
しおりを挟む「見た目も言動も…テメェの異名でもある死神のまんまか…なあ?新しい大将さんよ…!」
「死神ねぇ…普通の人間ならよ…そんな異名嫌がるだろうが…俺からしたらありがてぇよ…十字架背負ってんのを忘れない為にもなァ…ヒャハハッ…!」
「随分と帝国軍は悪趣味な野朗を大将にしたもんだ…なあ?アーク・クオンタム」
「ヒャハハッ…昔のアンタはもっと無口でカッコよかったぜ?なあ…元…大将さんよ」
「しゃらくせぇ…!」
あからさまな挑発を受けてガルフは腰元の鞘
から黒漆に光る刀を抜刀する。
其れを見た大将アークはニヤリと不敵な笑み
を浮かべて鎌を肩から下ろして川のほとりの
大地に先を当てて見せる。
そして、千歳緑色のオーラを纏いながら静か
に鎌を引き摺りながらガルフへと歩み寄る。
其れに対抗する様に黝色という漆黒のオーラ
を纏ってガルフも身構えた。
現大将と元大将という戴冠を果たした二人の
戦いの幕は一瞬にして上げられる。
鋒をほんの少し動かしたガルフは自身の持つ
氷雪のギフトのチカラを解放しアークの身体
諸共、川のほとりの周囲全てを黝色の氷礁に
因って凍り付かせて見せる。
しかし、完全に凍結した筈のアークの身体は
千歳緑に光りながら動き出し鎌で其の氷礁を
斬り裂きニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
「焦るなよ…元大将…歳食って平静を保てなくなったか?オイ…!」
「しゃらくせぇってんだ…テメェはよ…!」
「今度は俺の番だな?見誤るなよッ!!」
千歳緑のオーラを纏ったアークの鎌は何度か
振り回しただけで一帯の氷礁全てを氷の欠片
へと帰すかの様に粉々に砕き鎌をまた地面に
引き摺ったままで走り出す。
そして、ガルフとの間合いを詰め切った大将
アークは鎌を足元からガルフに向けて一気に
振り上げて行くが其の動きはガルフから見る
と異様に緩慢に見えた。
「そんな動きで儂を捉えるつもりか…?」
素早く刀を立てたガルフは大振りの構えを
取っているアークの肩口に向けて先に刀を
振り下ろして攻勢に転じた。
しかし、刀が肩口に触れると斬れた筈の一撃
を受けたアークの身体が甲高い金属音を奏で
其の刀を弾くのだった。
「だから…見誤るなって言ってやったのによ…!」
身体を硬化させてガルフの攻撃を防いだ瞬間
緩慢に見えた鎌の一振りが加速を始める。
アークにとっては攻撃は躱す物では無く受け
て弾く物、其れだけの硬化の特性の強靭さを
持っていた事でアークは敢えて緩慢に鎌を
振るって隙を作り出した。
そして、其の隙は攻め込んだガルフの隙を
見出す事に成功しアークの振るった鎌が眼前
のガルフの身体を斜めに斬り裂く。
派手に血飛沫を舞わせたガルフは視界が揺れ
眼前で舌を出しながらニヤリと不敵に笑った
アークの表情を睨み付けて行った。
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