489 / 729
第十一篇第三章 鬩ぎ合う苦悩
蒼騎マリアvs賢鶴リア&甲突マルク
しおりを挟む蒼色の雷を奔らせ加速した中将マリアの剣先
から蒼き雷撃が斬撃として放たれる。
するとマルクとリアは其々が声も交わさずに
別々の行動を起こし始めた。
前に出たのは巫女姿の六撰将リア。
手に握られた錫杖を突き出し正面から迫る
マリアの雷撃に自身の流水のギフトを発動し
真珠色の水の盾を形成した。
そして、其の水の盾に触れたマリアの雷撃が
何と溶けて消えて行くのだが此れは流水の
ギフトが持つ特性の一つ“溶解”。
相手のギフトに因って放たれた攻撃や防御を
名の如く溶かして無に帰す事が出来る特性。
そして、リアの背後から茂みへと姿を隠した
スーツ姿の六撰将マルクは茂みの中から攻撃
を放って直ぐで隙の出来たマリアへと槍を手
に攻め掛かるのだが其の姿は自然の色と同化
し見えづらくなっていた。
しかし、波動の揺れを感じ振るわれたマルク
の槍を何とか背後に向けて振るったマリアの
起点に因って攻撃は防がれた。
マルクの授かった樹木のギフトの特性の一つ
“擬態”は物や風景を模る事が出来る特性で
今回は山中の景色を自身の身体に投影し其の
姿を隠して撹乱する作戦だった。
攻撃を防ぎ後方宙返りを決めて二人との距離
を開けたマリアは息を一つ吐き出す。
「リアさん。此処は攻め時だよね。僕の動きでイニシアチブを完全に手中に収めて来るよ、援護は宜しくね」
「ええ。お任せ致します」
「樹木覚醒…“ 突貫甲虫”ッッ!!」
マルクの身体に山吹色の樹木のギフトと波動
のオーラが渦を巻いて流れ始める。
モチーフは兜虫であるマルクの覚醒は背中に
甲虫の羽根を携え額から角を生やす。
握っていた槍が其の角の様に変化し右腕と
同化して左手には兜虫の背中の様な盾を持ち
其の姿を変貌させるのだった。
「僕達的には先ずは仲間が無事に此のルタイ山から脱出をするのが最優先タスクだよ…中将マリアさん」
「時間稼ぎ…ね。嫌になるわ…!」
山吹色の葉を足元から吹き上げて覚醒を披露
したマルクが一気に地面を蹴る。
マリアへと間合いを詰めながら其の右腕に
据えられた角型の槍で一気に貫きに掛かる。
マリアは其の攻撃を何とか身躱すのだが足元
から吹き上がっていた山吹色の葉が量を増し
マリアの視界を遮った瞬間にマルクの姿を
見失ってしまう。
「撹乱ね…此れならどう?」
マリアは地面に刀を突き刺すと三百六十度を
範囲とした蒼き雷撃を流し始める。
しかし、其の起点に因って生まれた攻撃が
全て真珠色の水へと溶けて消えてしまう。
「小細工が得意なのね…貴女…!」
「いえ。援護は任せると仰って頂きましたから」
ニコッと微笑んだリアを見て唇を噛む仕草を
見せたマリアは悔しさを滲ませる。
そして、其処へ頭上から姿を見失っていた
マルクの槍がマリアへと攻め入るのだった。
40
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる