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第十一篇第一章 月明かりに照らされる真実
国王に燻る国家暗転の火種
しおりを挟む「少し話を戻すぞ…此処からは其の話を踏まえて何故俺等…六撰将が今此の時に全てを話したかじゃ…!」
ランスは続ける。
国王を水面下で守護しなければならない事等
本来であればそんな回りくどい真似はせずに
堂々と彼等六人が王家側を名乗れば済む。
しかし、そう出来ない理由が在る。
其れは現体制の政府にあるのだ。
此処数年単位でストラーダの抱える其の火種
の話が噂程度に流れ始めた。
鎖国体制を敷くプレジアのトップが異国民と
繋がりを持った挙句に子供まで授かった。
言わば其の子供は母国と異国のハーフ。
鎖国体制のプレジアに於いて其の子供は一般
の民であれ存在してはならないのは百も承知
だが、其の子供がまさかの王家側に居る。
其れはプレジア王家第十五代国王ストラーダ
の民意を削ぎ落とす大スキャンダルとなる。
だからこそ、ロードにはケーニッヒの名を
名乗る事を禁じさせ此の国の名では無い其の
ヘヴンリーという名を名乗らせる事でロード
の正体をひた隠して来た。
知らぬ名を訊いた者からすれば其の名は偽名
であると思われる事もあっただろう。
此処二年は流浪人という立場も効いていた。
だが、此処数年単位で其の噂程度で出回る
此の事実に現実味を帯びさせてストラーダの
実権を奪って来た者が存在する。
「プレジア政府宰相ガズナ・ペティット。此の男が何処から嗅ぎ付けたのか…国王の墓まで持って行く筈だった此の事実を着実に時間を掛けて…解き明かしつつあるんだってーの…」
プレジア政府宰相ガズナ・ペティットは此の
事実を何処から仕入れたかストラーダを其の
話で揺すりながら着々と現体制の実権を手中
に納めつつある。
つまりは、決定的な証拠だけが手札に存在
し得ない状態だが、ほぼほぼ現政府の体制
に於いて国王ストラーダの実権は弱まって
おり其の最後のピースをガズナを中心とした
現政府は堂々と探し求めている。
此処から導き出されるのは国王ストラーダが
今や政府内に於いて四面楚歌である事。
そして、宰相ガズナが静かにストラーダ失脚
を狙い政府内で蠢いている事。
三百年続くケーニッヒ王家の時代の終わりを
告げようと政府内では反王家の人間達が其の
動きを活性化させている事。
「俺等は…家系としても…此の三百年…ケーニッヒ王家に仕えて来たんじゃ。確かに国王からすりゃあ…此れは国の規範に反したスキャンダルじゃろう…しかしな…生まれてきたロードにも…母親サーラにも…何の罪もねぇんだってーの…簡単に…はい、そうですか。と諦めるワケには行かんからの…俺等も動き始めたっちゅうワケじゃ…!」
ランスの言葉に背後にいたガスタやガルフを
始めとした国王守護団体“六撰将”が力強く顔
を振るって頷きを見せる。
其の話の締めに渦中のロードは混乱した表情
で頭を抱えて俯いてしまっていた。
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