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第十一篇第一章 月明かりに照らされる真実
六撰将と名乗る者達
しおりを挟む「其の事件から俺等は水面下で同志達を集めて来たんじゃ…ケーニッヒ王家の没落を防ぐ為にな…」
「没落…って…今のプレジア王家ってそんなにヤバい状況なのっ……?」
ポアラの言葉が皆の疑問を代弁する。
話が飛躍的に大きくなって来ているのを感じ
ロード達はランスの声を聞き漏らさない様に
更に集中を高めて行った。
「其処からじゃ。俺等はもしかしたら訪れるかもしれない次世代を見据えて新たな人材を探していたんじゃ…」
ランスは続ける。
仮にケーニッヒ王家が没落の危機を迎えて
いるとしても其処から脱却する、つまりは
第十五代国王ストラーダを護る為に水面下
で抑えて置きたい保険が四つ程あったのだ。
先ず一つは、武力。
王家没落を狙う勢力が現れたとしても其処と
戦える武力を誇る指導者が欲しい。
次に求められるは、資金力。
指導者を得たとしても其処に賛同する人間達
更には武器を得るには資金力は欠かせない。
更に求められるは、宣教師。
ケーニッヒ王家の行いであり、此の国の歴史
を紡ぎ伝えて行ける人材の確保。
最後に求められるは、未来への可能性。
ランス等にとって未来への可能性とは子供達
の事であり戦争孤児等の保護団体との繋がり
は欠かせないモノだった。
此の説明でランスとガスタがストラーダ国王
を守護する体制を作るべく欲した人材達が今
ロード達の眼前に控えている。
元国王直下帝国軍大将にして此の国の武力の
象徴でもあったガルフ・ジャッククォーツ。
近代化を目指すプレジアに於いて今最も時代
の流れを汲む会社M・S・システムズの代表
取締役マルク・セイアート。
此の国の守護神である鳳凰への祈りを欠かす
事無く歴史を紡いで来た由緒正しき鳳凰殿の
巫女であるリア・フローレス。
慈善事業として始まり戦争孤児達を数多く
救け其の成長を見守って来た孤児の保護団体
ピースハウス経営者ザック・トニーキース。
「此の二十年の間に俺等が水面下で繋いで来たチカラの証が此の六人なんだってーの…俺等は自らをこう呼んでおる…国王守護団体“六撰将”と…!」
遂に、ランス等の目的が完全に判明した。
ロードの父親でもあるプレジアのケーニッヒ
王家第十五代国王ストラーダ・ケーニッヒの
私兵守護団体“六撰将”。
不可思議だったザック等との繋がりを此れで
説明が付き、其の行動に違和感を覚えた政府
が元々政府関連に所属していたランスを始め
としてガスタ、ガルフという三人を水面下で
探していた事の説明も付く。
此れでランス等の目的は解った。
しかし、ロードにとっては此処からが本題で
あろうことは明白だった。
突如明かされた現在のケーニッヒ王家が没落
の危険を孕んでいるという事実。
其の秘密を政府がランス等から聞き出そうと
血眼になっている現実。
前置きの説明を終えて真実の扉が開く。
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