RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

文字の大きさ
上 下
456 / 729
第十一篇第一章 月明かりに照らされる真実

海を越えた因縁

しおりを挟む




「…はぁ?なんだったんだ?今の…」



目の前で起きたガルフとレザノフの会話の
中身が見えて来ず呆気に取られたロード達は
レザノフに一斉に視線を向ける。

すると、何故だか胸を張って話し始めたのは
レザノフでは無くシグマだった。



「ええやろ。教えたるがな…ウチのレザノフさんとなあ…プレジアのガルフっちゅうんは何度も戦争で武を競ったライバル関係だったんや…!」



補足して行くとしよう。

今から大体、二十年程前の時代の話だ。

当時、帝国軍の大将を務めていたガルフと
バルモア国軍の団長を務めていたレザノフは
何度も戦場で顔を突き合わせた。

其の二十年年前に於いてのレザノフは歴史上
でも最強と謳われたバルモア兵として其の名
を轟かせておりプレジアから恐れられていた
のだが其の時代にレザノフと肩を並べる事の
出来る数少ないプレジアの戦力こそガルフで
あったのだ。

二人が交わした言葉の通りガルフが左眼を
眼帯で覆っているのはレザノフの攻撃に依り
抉れた左眼を隠す為。

また、レザノフが覚醒を放った後で他の人間
よりも異様に回復ペースが遅かったのも当時
ガルフから受けた古傷のせいなのだ。



「つまり…レザノフさんの強さって…ガルフさんと同格ってコトかッ!?」


「何と…。ガルフさんの強さは此の目で見させて貰ったが…まさかレザノフさんも…其処迄強い方だったとは…!」


「つまり…ガルフ様という方もレザノフ同等の強さ…はわわわわっ!!お強いですっ!」


「やっばい強いんじゃんっ!レザノフさんって…ってかさ…それはわかったんだけど…二十年前って言ったらアタシらが生まれた頃なのにシグマはなんでそんなに詳しいワケっ?」


「そんなんあったりまえやんか。レザノフさんは生きる伝説やで?そんでもって…ワイはそのレザノフさんに憧れて軍に入ったんやからなあ」


「にしても…オメェが胸張るコトじゃねぇだろ…」


「ちっちゃいコト気にすんなや…ロード。割と若くしてハゲんで?」


「るせぇっての…!」



レザノフとガルフの話だった筈なのだが言葉
を掛け合いながら盛り上がっていたのは二人
を除いた若い衆達だけだった。

少し場が暖まるのを待っていたかの様に静か
に最後の一人が部屋へと足を踏み入れる。

其の男の姿を見てロードが口を開く。



「ランス…!」


「あの方がランスさんか…」


「なんだかんだで初めて見るね…」



ランス・テラモーノ。

ロードが五歳の頃から十八の頃迄を共に火の
街で過ごした男である。

彼等の旅は今思えば此のランスを探す所から
明確にスタートしたのかもしれない。

ロードの両親を探す為の手掛かり。

砂の街コルドデザートのマムナック遺跡の中
でロードは一度話をしているが当時は何一つ
進展は得られなかった。

其の男が全てを明かすと招待状を突き付けて
来た事から集った此の場所にランスがやっと
姿を見せた事で場が静まり返る。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)

幻田恋人
恋愛
 夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。  でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。  親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。  童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。  許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…  僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…

ロリっ子がおじさんに種付けされる話

オニオン太郎
大衆娯楽
なろうにも投稿した奴です

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

処理中です...