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第十一篇第一章 月明かりに照らされる真実
海を越えた因縁
しおりを挟む「…はぁ?なんだったんだ?今の…」
目の前で起きたガルフとレザノフの会話の
中身が見えて来ず呆気に取られたロード達は
レザノフに一斉に視線を向ける。
すると、何故だか胸を張って話し始めたのは
レザノフでは無くシグマだった。
「ええやろ。教えたるがな…ウチのレザノフさんとなあ…プレジアのガルフっちゅうんは何度も戦争で武を競ったライバル関係だったんや…!」
補足して行くとしよう。
今から大体、二十年程前の時代の話だ。
当時、帝国軍の大将を務めていたガルフと
バルモア国軍の団長を務めていたレザノフは
何度も戦場で顔を突き合わせた。
其の二十年年前に於いてのレザノフは歴史上
でも最強と謳われたバルモア兵として其の名
を轟かせておりプレジアから恐れられていた
のだが其の時代にレザノフと肩を並べる事の
出来る数少ないプレジアの戦力こそガルフで
あったのだ。
二人が交わした言葉の通りガルフが左眼を
眼帯で覆っているのはレザノフの攻撃に依り
抉れた左眼を隠す為。
また、レザノフが覚醒を放った後で他の人間
よりも異様に回復ペースが遅かったのも当時
ガルフから受けた古傷のせいなのだ。
「つまり…レザノフさんの強さって…ガルフさんと同格ってコトかッ!?」
「何と…。ガルフさんの強さは此の目で見させて貰ったが…まさかレザノフさんも…其処迄強い方だったとは…!」
「つまり…ガルフ様という方もレザノフ同等の強さ…はわわわわっ!!お強いですっ!」
「やっばい強いんじゃんっ!レザノフさんって…ってかさ…それはわかったんだけど…二十年前って言ったらアタシらが生まれた頃なのにシグマはなんでそんなに詳しいワケっ?」
「そんなんあったりまえやんか。レザノフさんは生きる伝説やで?そんでもって…ワイはそのレザノフさんに憧れて軍に入ったんやからなあ」
「にしても…オメェが胸張るコトじゃねぇだろ…」
「ちっちゃいコト気にすんなや…ロード。割と若くしてハゲんで?」
「るせぇっての…!」
レザノフとガルフの話だった筈なのだが言葉
を掛け合いながら盛り上がっていたのは二人
を除いた若い衆達だけだった。
少し場が暖まるのを待っていたかの様に静か
に最後の一人が部屋へと足を踏み入れる。
其の男の姿を見てロードが口を開く。
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「なんだかんだで初めて見るね…」
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でロードは一度話をしているが当時は何一つ
進展は得られなかった。
其の男が全てを明かすと招待状を突き付けて
来た事から集った此の場所にランスがやっと
姿を見せた事で場が静まり返る。
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