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第十篇第五章 反乱と革命のフィナーレ
『I have my own non-negotiables』
しおりを挟む高台の頂上へと舞い登ったロードは翼を緩り
と織り込んで頂上へと舞い降りる。
そして、其処に広がった光景に愕然とした
表情を浮かべて唇を噛め締めて叫んだ。
「もう止まれよッ!!ノアッ!!エルヴィスッ!!」
其の声にほぼ同時に視線を向けたエルヴィス
とノアの二人はロードを確認して驚いた様な
表情を浮かべて立ち止まった。
「ロード…何故、お前が此処に…?」
「邪魔しに来やがったんじゃねぇよなッ…いくらお前でも…其れは許さねぇぞッ…!」
血みどろの姿で声を発したノアとエルヴィス
の二人を見てロードは覚醒を抑え込み自身の
素の姿で二人の間に割り込んで行った。
「わかってる…テメェ等がこの戦いに賭けてるコトも…本気でやり合ってたコトも…それでも…俺はテメェ等が殺し合うコトなんざ望みたくねぇんだよッ!!」
順番に二人へ視線を向けながらロードは自身
の想いを言葉としてぶつけて行く。
「何が解るってんだッ!?テメェは…俺達がどんな想いで此の十年…鎬を削って来たか…命を掛けて来たかをよッ!!」
「そうだ…ロード…此の戦いだけは…お前のエゴで邪魔していい物じゃない…!」
二人から轟々と浴びせられる非難の声に耳を
傾けながらもロードは拳を握り締めて次の声
を負けずに紡ぎ上げて行く。
「ゴチャゴチャうるせぇッッ!!!!」
突如として高台に響き渡ったロードの叫びの
声にまるで怯んだかの様にノアとエルヴィス
は言葉を失ってしまう。
「本音を言えよッ!!!!」
更にロードの真っ直ぐな言葉が響き渡る。
「ニャロウ共がッ…テメェ等の想いとか目指してるモンは立派だよ…スゲェと思うし…尊敬してる…」
ロードは肩を震わせながら次の言葉を紡ごう
とするが湧き上がった想いが上手く言葉へと
変換出来ずにほんの少しの間を要する。
だが、ノアとエルヴィスは口を挟まない。
「反乱軍と革命軍のトップだ…テメェ等は…仲間がいて…その仲間の想いも背負って戦ったんだろ…?けどよッ…テメェ等…二人して言ってたじゃねぇかッ!!!!“親友”なんだろッ!?どこまで行ったってよッ!!」
ロードの言葉は本当に真っ直ぐだ。
組織を立ち上げ己達が取り決めた秩序と制約
の中で其れを全うしようとし続けた二人を前
にして其の真っ直ぐさが胸を打つ。
「親友同士…殺し合った先に…テメェ等が求めてる平和は来んのかよッ!?ずっと下向いて歩いてんじゃねぇッ!!目の前のモン、きっちりテメェ等の目で見ろよッ!!!!」
喉を焼き切るかの如く叫んだロードの言葉に
ノアとエルヴィスは視線を交わらせる。
そして、身体からふと力が抜けて行くのを
互いが互いに感じ取って行くかの様に両者が
揃って静かに片膝を付いて見せた。
息を切らしたロードは其の場に胡座を掻いて
座り込み空を見上げて息を吐く。
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