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第十篇第五章 反乱と革命のフィナーレ
『time of reckoning』
しおりを挟むノアとエルヴィス。
二人が同時に地面を強く蹴り上げた。
そして、遂に其の口を互いが開いた。
「「絶技…!」」
黄金の獅子と白銀の狼が互いを睨み付けて
猛獣の雄叫びと共にノアとエルヴィスの背を
追う様に空中を駆け上がる。
「 銀狼烈風牙ッッッッ!!!!」
「 雷霆獅子王斬ッッッッ!!!!」
いざ、決着の刻ー。
ノアは身体に巻き起こる白銀の嵐と共に背後
の銀狼と共に一直線にエルヴィスを狙う。
エルヴィスは双剣を交差させ足に黄金の雷を
纏うと背後の金獅子の咆哮と共にノアへ。
互いが見せ付けた絶技とは両者共に目にも
止まらぬ神速の一閃だった。
ノアがエルヴィスに向けた鋒。
エルヴィスがノアに向けた刀身。
そして、背後に顕現した銀狼は雄叫びと共に
金獅子は咆哮と共に主の背を追い眼前に迫る
最高の好敵手に向けて全身全霊を賭ける。
此れが二人の紛れも無い本気。
其の両者の一撃が高台の中央で交差し雷と嵐
が触れ合いレアドキルナの戦場を一筋の光が
包み込んで行く事となる。
そして、其の光は天空を貫くかの様に大空を
染め上げていた黒雲を蹴散らした。
辺りに光が射し込む。
二人が見せた決戦の行方はどう転んだか。
其の光が射し込んだ高台は、まるで舞台上の
演者を照らすスポットライトかの様に傷付き
血に染まった二人を映し出す。
二人の身体から覚醒は消えていた。
しかし、二人は痛みに屈する事無く意地を
張り合うかの様に何とか立ち尽くす。
そして、倒れ込みそうな程にゆらりゆらりと
歩み寄った二人は驚きの行動に出る。
もう、刀すら握る力は無い。
刀は高台の大地に落として来てしまった。
だからと言って二人が見せた次の行動は誰も
予測出来ないモノだったのだ。
「…ァ…ノア…ァ…ッ…!!」
「…ッ…エルヴィス…ッ…!!」
もう限界の筈なのだ。
なのに二人は最後の最後で只の殴り合いを
意地と意地で始めて行った。
舞台上の二人が見せる正しく原始の戦い。
だが、何度殴っても相手は倒れない。
何度、殴られても先には倒れられない。
黒雲を振り払い嵐が止み、太陽が鉄鋼区域
レアドキルナの戦場に射し込んだ。
此の戦いを祈る様に見ていた両軍の幹部達は
ギフト同士のぶつかり合いが終わる時こそが
決着の刻だと読んでいた筈だ。
しかし、此の戦場に今も尚力強く溢れ出る
ノアとエルヴィスの波動のチカラの流れを
見れば一つの答えを全員が知った。
今も尚、高台の上では二人は死力を尽くして
最終決戦のエンディングを飾ろうとしている
のだと、まだ戦いは終わっていないのだと。
フラつきながらも、よろめきながらも血反吐
を吐きながらも殴る拳が血で染まり痛々しく
腫れ上がろうとも、二人は倒れない。
此れが頂点に君臨した男達の姿なのだと二人
は此れでもか、と見せ付けて行く。
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