RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第十篇第四章 反乱と革命のフェローチェ

銀狼ノアvs崩拳ゼロ

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「南無…ッ…!」



拳法の構えから正拳突きを繰り出したゼロの
拳から破圧が飛び出しノアの眼前で紫黒色の
大爆発を起こしながら炸裂する。

ゼロの業火のギフトの得意特性は“爆破”。

其の拳から放たれる拳圧に依って爆破を炸裂
しながら戦う拳闘タイプである。

しかし、其の大爆発からノアは白銀の疾風を
足に纏うと特性“加速”に因って速度を高めて
抜け出るとゼロとの間合いを詰める。



「勿論、信仰で救えない命は数多くある…だからこそお前は…痛みを背負った…」



迫るノアに向けてゼロは表情を曇らせながら
再度拳を振るい空中に爆破を起こす。

ノアは刀を振るい其の紫黒色の爆炎を遮ると
更に足を加速させゼロを眼前に捉える。



「だが…痛みでは次なる未来を開く事は出来ないと俺は思う…」


「ならば…どうしろと…ッ!!」



ノアの言葉に怒りを滲ませながら破戒僧ゼロ
は自身の拭えぬ過去を原動力に拳を振るって
何度も何度も爆破を起こさせる。

しかし、ノアはゼロの苛烈な攻めをも諸共
せず白銀の風と共に爆炎を斬り裂く。



「立ち止まるな…痛みに全てを託すな…信仰とは其の痛みの上に立っても…神や仏を信じ仰ぐ事で力をくれる筈だ…今からでも天へと逝った魂を浄化する事は出来るのでは無いか?絶望の上に立ち祈る事で…!」



ゼロはノアの口から放たれた言葉に何かを
気付かされた様に口を開いた。

そして、ノアと一度距離を取ると構えを取り
波動を体内から溢れさせ目を見開く。



「其の言葉が是であると信じたい…貴公もエルヴィス同様に新時代の舵を取る者か…此の一撃で試させて貰う…!」



ゼロが両拳を腰元に構えるとノアの左右前後
に溶岩が崩落した雪崩の様に降り注ぐ。

そして、息を吐きゼロが拳を、突き出した。



「絶技…“ 崩界・気炎突ほうかい・きえんづき”……!!」



解き放たれた右拳から飛ぶ拳圧の一撃は何度
も紫黒色の大爆発を引き起こしながらノアへ
向かって勢い良く迫り来る。

ゼロの放つ最高の大技を前にノアは静かに息
を吐くと正面から打ち破るかの様に腰より下
に構えた刀を逆袈裟掛けに振り上げる。

すると白銀の風の斬撃がゼロの絶技をも一瞬
で撃ち破り其の儘、一陣の風が白銀の衝波と
なってゼロを斬り裂いた。

舞う血飛沫と口からの吐血、ゼロはノアの前
に屈したかの様に両膝を付いてしまう。



「…ぐあッ…此処迄とは…エルヴィスとノア…二人が信じ掲げる…物が…此の先…何を見せるのか…其処に新たな…時代がある…か…」



ゼロは其の儘、うつ伏せに倒れ込む。

身体から覚醒が解け、限界を迎えてしまった
事をノアに知らせるかの様に気を失った。

護国師団反乱軍幹部ゼロ。

破戒僧となりながらも安らかな世の為に痛み
を背負って戦う拳闘士は独立師団革命軍総長
ノア・クオンタムの前に倒れた。
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