434 / 882
第十篇第四章 反乱と革命のフェローチェ
銀狼ノアvs崩拳ゼロ
しおりを挟む「南無…ッ…!」
拳法の構えから正拳突きを繰り出したゼロの
拳から破圧が飛び出しノアの眼前で紫黒色の
大爆発を起こしながら炸裂する。
ゼロの業火のギフトの得意特性は“爆破”。
其の拳から放たれる拳圧に依って爆破を炸裂
しながら戦う拳闘タイプである。
しかし、其の大爆発からノアは白銀の疾風を
足に纏うと特性“加速”に因って速度を高めて
抜け出るとゼロとの間合いを詰める。
「勿論、信仰で救えない命は数多くある…だからこそお前は…痛みを背負った…」
迫るノアに向けてゼロは表情を曇らせながら
再度拳を振るい空中に爆破を起こす。
ノアは刀を振るい其の紫黒色の爆炎を遮ると
更に足を加速させゼロを眼前に捉える。
「だが…痛みでは次なる未来を開く事は出来ないと俺は思う…」
「ならば…どうしろと…ッ!!」
ノアの言葉に怒りを滲ませながら破戒僧ゼロ
は自身の拭えぬ過去を原動力に拳を振るって
何度も何度も爆破を起こさせる。
しかし、ノアはゼロの苛烈な攻めをも諸共
せず白銀の風と共に爆炎を斬り裂く。
「立ち止まるな…痛みに全てを託すな…信仰とは其の痛みの上に立っても…神や仏を信じ仰ぐ事で力をくれる筈だ…今からでも天へと逝った魂を浄化する事は出来るのでは無いか?絶望の上に立ち祈る事で…!」
ゼロはノアの口から放たれた言葉に何かを
気付かされた様に口を開いた。
そして、ノアと一度距離を取ると構えを取り
波動を体内から溢れさせ目を見開く。
「其の言葉が是であると信じたい…貴公もエルヴィス同様に新時代の舵を取る者か…此の一撃で試させて貰う…!」
ゼロが両拳を腰元に構えるとノアの左右前後
に溶岩が崩落した雪崩の様に降り注ぐ。
そして、息を吐きゼロが拳を、突き出した。
「絶技…“ 崩界・気炎突”……!!」
解き放たれた右拳から飛ぶ拳圧の一撃は何度
も紫黒色の大爆発を引き起こしながらノアへ
向かって勢い良く迫り来る。
ゼロの放つ最高の大技を前にノアは静かに息
を吐くと正面から打ち破るかの様に腰より下
に構えた刀を逆袈裟掛けに振り上げる。
すると白銀の風の斬撃がゼロの絶技をも一瞬
で撃ち破り其の儘、一陣の風が白銀の衝波と
なってゼロを斬り裂いた。
舞う血飛沫と口からの吐血、ゼロはノアの前
に屈したかの様に両膝を付いてしまう。
「…ぐあッ…此処迄とは…エルヴィスとノア…二人が信じ掲げる…物が…此の先…何を見せるのか…其処に新たな…時代がある…か…」
ゼロは其の儘、うつ伏せに倒れ込む。
身体から覚醒が解け、限界を迎えてしまった
事をノアに知らせるかの様に気を失った。
護国師団反乱軍幹部ゼロ。
破戒僧となりながらも安らかな世の為に痛み
を背負って戦う拳闘士は独立師団革命軍総長
ノア・クオンタムの前に倒れた。
60
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
とあるおっさんのVRMMO活動記
椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。
念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。
戦闘は生々しい表現も含みます。
のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。
また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり
一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が
お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。
また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や
無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が
テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという
事もございません。
また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。

冤罪で追放した男の末路
菜花
ファンタジー
ディアークは参っていた。仲間の一人がディアークを嫌ってるのか、回復魔法を絶対にかけないのだ。命にかかわる嫌がらせをする女はいらんと追放したが、その後冤罪だったと判明し……。カクヨムでも同じ話を投稿しています。

もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる