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第十篇第三章 反乱と革命のストリンジェンド
未来への誓い
しおりを挟む革命軍総長ノアの身体を纏った白銀の風が
反撃の一手を打つノアの動きを予感させる。
ギルドも其れを一身に感じたからこそ自身が
持てる波動を全て身体へと流し込み其の動き
に対応しようと意識を向けた。
「反乱軍幹部ギルド・ラーケイド…お前の覚悟もさぞ重かろうが…俺は此の人生を賭けて“未来”へ向かうと誓ったのだ…!」
ノアはギルドの太刀を躱し懐へ潜り込むと
自身の刀の峰をギルドの身体へとあてがう。
「此の時代は…紛争が終われど次なる戦争が待ち受ける…其れを止めるのだ…今を生きる俺達が痛みや悲しみを堪えて乗り越え…次世代達へ繋いで行く…本当の意味での平穏、そして平和を手にする為にッ!!」
ノアの刀から荒れ狂う嵐が巻き起こりギルド
の身体を上空へと吹き上げ切り刻む。
そして、身体を“加速”という特性を用いて
ギルドが待つ上空へと跳び上がったノアは
刀を構え逆袈裟掛け斬りに振り切り白銀の
旋風が唸りを上げてギルドへ直撃する。
ギルドの身体が風の吹き上げを受けなくなる
と背中から勢い良く鉄鋼区域の地面へと落下
し派手な物音を立てたのだった。
「反乱軍の志は否定しない…だが、其れでも俺達は止まれない…済まない…ギルド・ラーケイド…意志のぶつけ合いでは無く戦いは…俺の勝ちだ…!」
砂煙が収まって行く戦場に背中から倒れ込む
ギルドの身体から覚醒は解けて行く。
其れを確認したノアは刀を腰元に納刀し其の
ギルドの姿を一瞥すると踵を返した。
「(ハッ…ツイてた筈なのによォ…なあ?エルヴィス…オメェのライバルは…どんだけ意志の強い男なんだよ…オメェ等がぶつかったら何が起こるんだ?)」
薄れ行く意識の中で青空を眺めながらギルド
は自身が認めた若き先導者の姿を思い浮かべ
此の時代に勃発した此の戦いの行く先に想い
を馳せて行った。
エルヴィスの親友でありライバルと目される
革命軍総長ノアは其の場から緩りと足を進め
立ち去って行くのを感じながらギルドを瞳を
閉じ身体を大の字に寝かせ段々と緩んで行く
身体を感じ、敗北を知った。
「(“今”を生きる者達だからこそ…“未来”の為に身体を張るか…革命軍がブレねぇで突き進んで来れたのは…あの男あってこそ…だな…ハッ…完敗だよ…チクショウがッ…!)」
鋼の街レアメタリクスの一つの鉄鋼区域と
なるレアドキルナで勃発した此の戦いは後に
時代を記す史書にも載せられる事となる。
護国師団反乱軍と独立師団革命軍。
両軍の譲れぬ想いがぶつかり合う此の戦いは
自国内紛争が終わらぬ此の時代に一つの終焉
を呼ぶ事となるのだが、其れもまた先の物語
であり未だ誰も知り得ぬ未来の話。
革命軍総長ノアvs反乱軍幹部ギルド。
此の戦いは革命軍総長ノアの勝利で幕を閉じ
る事となり反乱軍幹部ギルド、戦線離脱。
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