413 / 849
第十篇第二章 反乱と革命のグラツィオーソ
猛牛アドラスvs犀角ウォッカ
しおりを挟む「グハハハ…愉しくなって来やがったぞ…三下との戦いじゃ此の高揚感だけは得られねぇよなァ!!」
「わははは…そいつァ違ェねぇ…!なら俺っちから全力見せ付けてやるよォ!」
斧を鎖で受け止めていたウォッカは片足を
不意に振り上げると其の爪先を起点に再度
業火のギフトの特性“爆破”が起こりアドラス
を背後へと吹き飛ばす。
「業火覚醒…“ 犀劫爆進”ォォ!!」
先に仕掛けたのは革命軍幹部ウォッカ。
額から犀の角が生え上がり、輪郭から顎に
掛けて鋼鉄の防具を身に付ける。
更に両肩にも犀の角の様な装飾が現れ背中に
桑実色の炎が絶えず燃え盛っている。
「良いじゃねぇかァ…滾ってくるぜェ…なあ!?オイ…ウォッカァ!!」
「久し振りに俺っちにもオメェの覚醒…見せてみろよォ!アドラスッ!!」
「言われんでも其のつもりだ…行くぜ!?」
ウォッカの声に応えアドラスも覚醒を解放し
其の姿を雄々しく変貌させて行く。
「大地覚醒…“ 獰猛牛鬼”ッッ!!」
アドラスの頭部に黒く雄々しい角が顕現。
更には身体が牛の衣を纏い獣化して行くと足
は牛の様に強く強靭化した姿に変わる。
携えていた斧が二本へと増加し其れを更に
隆盛した腕で構えウォッカを見据えた。
「テメェをぶっ倒すのに…やはりアレ無しじゃァ…締まらんだろうなァ!!」
「おうおう、何処迄も気が合うじゃねぇのよ…タイマン、カチコミに関してはよォ!」
互いの叫びと共に崩れぬ笑みは此の両者が心
の底から此の戦いの愉悦を感じているからに
他ならずアドラスはウォッカを、ウォッカは
アドラスを認め合っている事を感じ取れる。
反乱軍、革命軍と敵対する更に以前から此の
プレジアの裏社会の二代巨頭として張り合い
そして、高め合い鎬を削って来た両者。
「「絶技ィ!!」」
互いに譲れぬ奥義の激突が始まる。
「 猛牛靱義・牛衝車ァァァァ!!!!」
「 業火滅却・犀応角ッッッッ!!!!」
アドラスは巨体で宙に飛び出すと身体と斧を
まるで車輪の様に回転させながらウォッカに
特性“重力”を掛けて突っ込む。
ウォッカは背中の炎がまたしても一気に火力
を上げ燃え盛ると鎖鉄球ごと飛ばしアドラス
に鎖を巻き付けると突進を始める。
アドラスの掛けた重力はウォッカが加熱させ
燃え盛らせた炎の突進力が凌駕する。
しかし、ウォッカが縛り上げた鎖をアドラス
は関係無しとばかりに其のまま、回転速度を
上げて行った。
手元へと戻って来た鉄球をウォッカの頭と肩
の角が捉え其れを起点に押し込んで行く。
車輪の様に回転したアドラスの身体が前方へ
一気に加速して行くとウォッカに狙いを定め
斧と角の先端が迫り来る。
そして、互いの絶技がぶつかり合い、其の場
一体に強烈な轟音と大爆発が巻き起こった。
70
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
学園長からのお話です
ラララキヲ
ファンタジー
学園長の声が学園に響く。
『昨日、平民の女生徒の食べていたお菓子を高位貴族の令息5人が取り囲んで奪うという事がありました』
昨日ピンク髪の女生徒からクッキーを貰った自覚のある王太子とその側近4人は項垂れながらその声を聴いていた。
学園長の話はまだまだ続く……
◇テンプレ乙女ゲームになりそうな登場人物(しかし出てこない)
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】竜人が番と出会ったのに、誰も幸せにならなかった
凛蓮月
恋愛
【感想をお寄せ頂きありがとうございました(*^^*)】
竜人のスオウと、酒場の看板娘のリーゼは仲睦まじい恋人同士だった。
竜人には一生かけて出会えるか分からないとされる番がいるが、二人は番では無かった。
だがそんな事関係無いくらいに誰から見ても愛し合う二人だったのだ。
──ある日、スオウに番が現れるまでは。
全8話。
※他サイトで同時公開しています。
※カクヨム版より若干加筆修正し、ラストを変更しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
悪役令嬢カテリーナでございます。
くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ……
気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。
どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。
40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。
ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。
40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる