RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第十篇第二章 反乱と革命のグラツィオーソ

苛烈な正面衝突

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「ワオ…ミーもユーのストロングな気迫にルーズするワケには行かないね」



革命軍ヴィスタは錫杖を手の中でくるりと
旋回させると横に薙ぎ払い目を見開く。



「樹木覚醒…“ 森旋駆鼬フォレストウィーゾル”…!」



覚醒を披露したエゼルに対抗しヴィスタも
自身を覚醒のステージへと導く。

臀部から鼬特有の細く長い尾が生えて頭部に
垂れた獣耳が顔を出すと優雅な森林模様の
ローブを身に纏う。

そして、首元には眠りに付く鼬が身体を丸め
巻き付いた様なファーが発現した。



「まあ、そう来ると思ったっしょ~。僕ちんさあ…あんまり長い事この覚醒持たせんのはキツいんから…全力…見せつけちゃうんでたのんま~すっと…!」



覚醒状態のエゼルは槍を旋回させながら緩り
と言葉を述べ終わると一度口を閉じて静かに
息を吐き出すと目付きが鋭く変わる。



「絶技…“ 鉄鎖牢・刺毒戯てっさろう・しぶき”ッッッ!!!!」



波動とオーラが波打つ様に鼓動を高め上半身
の鎖と肩から伸びた蠍の鋏を持つ腕が一気に
伸びてヴィスタ目掛けて襲い掛かる。



「ワオッ…なんてスピードなんだ…」



瞬間的にエゼルの絶技に捕らえられた革命軍
ヴィスタは冷や汗を流すと、直ぐ様エゼルが
次の行動へと移行する。

襟足が伸び変化した蠍の尾がエゼルの槍に
巻き付くように形態変化をすると其の槍を
エゼルは突く様に前へと突き出す。

其の瞬間、槍と尾の棘が一体となったエゼル
の武器がまるで如意棒かの様に伸縮する。



「この一撃で…終わりまっしょいッッ!!」


「ルーズするワケには行かないって…ミーは言ったハズだよッ!!」



革命軍ヴィスタは自身の持てるオーラを全て
樹木のギフトへと流し込むと多量の黄色い葉
が旋風の様に巻き起こり自身を鎖す鎖の捕縛
を破り切って見せた。

そして、身体を捩る様に構えた錫杖を身体の
旋回と共に振り切る事で旋風の様に宙に舞う
黄色い葉達の進行方向を定めた。



「絶技… 速旋・刈螺鼬そくせん・からいたちッッ!!」



巻き起こした黄色い葉の群れが旋風と成りて
エゼルの放った伸びる槍の一撃を弾く。

そして、其の葉の群れは一つに纏まり駆ける
鼬の姿を象ってエゼルを吹き飛ばす。



「…あっちゃ~…いいの食らっちまったっしょ~……ッ……!」



口から血を吐き出しながら前を向いた状態で
背後に飛ばされたエゼルは背中から鉄鋼区域
の地面へと無造作に倒れ込んだ。



「ユーが…スカーを負っていなければ…こんなにスピーディーに決着とは行かなかったろうね…運はミーに味方していたワケさ…グッバイ…エゼル・アッシュトール…!」



連戦となりチカラを使い果たした反乱軍幹部
エゼル・アッシュトールが倒れた。

革命軍幹部ヴィスタvs反乱軍幹部エゼル。

勝者は革命軍ヴィスタ。

反乱軍幹部エゼル、戦線離脱。
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