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第十篇第二章 反乱と革命のグラツィオーソ
総てを込めた一撃
しおりを挟む覚醒したルナのチカラも通常状態のアドリー
には届いていない事でルナは決死の一撃を
放つ準備を始めていた。
自身の中に流れる波動を磨き上げ此れ迄の
努力の成果を次の一撃に総て込める。
彼女の生きる理由は兄ソーマの為。
兄の本懐を遂げ此の国を開国させる。
彼女の目的と革命軍の目的は寸分の狂いも
無く同じ道に踏襲されているのだ。
「絶技…“ 氷架零填華”ッ!!」
革命軍ルナが発動させた絶技に因って反乱軍
アドリーが紫苑色の氷の十字架に繋がれる。
「しまった…!」
何の前触れも無く十字架に繋がれたアドリー
は多少の焦りを見せながら眼前のルナに向け
視線を向けるとルナはライフルの照準を必達
の如くアドリーに抜かり無く合わせる。
そして、放たれた紫苑色の弾丸がアドリーの
胸元を撃ち抜こうと迫り来るのだった。
そして其の弾丸は着弾と同時にとても美しい
氷の華となって十字架を覆う様に拡がった。
決着を迎えたと信じ荒々しい息を整えながら
片膝を付いたルナは其の氷の華を見遣る。
だが、ルナは違和感に気付いた。
「まさか…」
本来なら着弾し十字架諸共、氷の華に因って
呑み込まれ咲き誇るのがルナの絶技。
だが、氷の華の奥に薄らと十字架が見える。
何故か十字架と氷の華に距離があった。
其れが意味するのは簡単な事であろう。
アドリーが造形した氷の壁に着弾は阻止され
其のアドリーが十字架から抜け出したのだ。
そして、氷の矢が一箭。
ルナの頭上から迫ると彼女を射抜く様に身体
へ辿り着きルナの身体が凍結されて行く。
「こんなにもチカラの差があったとは…やはり…クールだな…アドリー・エイテッド。無念だ…!」
倒れ込んだルナの身体から覚醒が緩やかに
解けて行き、本人の意思に反して覚醒が姿を
隠すというのは本人の意識が薄れる事を意味
していたのだった。
「はぁ…強くなったわね…本当に。大丈夫…私が貴女の命を奪う事は無いわ…でも此のまま寝ててちょうだい…!」
ギフトの氷を解きルナに止血を施した反乱軍
参謀アドリーは緩りと立ちあがろうとした時
に身体に違和感を覚える。
「…ッ……はぁ…まだあの時の“傷”が癒えてないわね…でも頑張らなくちゃ…!」
アドリーは激痛に顔を顰めながらもスカート
の埃を叩いて前を見据えて行く。
だが、其の足取りには不安定なモノが嫌でも
付き纏ってしまっていた。
其れ程迄に反乱軍参謀アドリーが感じた身体
への激痛は相当なモノだと言う事を物語る。
其の傷とは氷の街ケベルアイスで対峙し全力
をぶつけ合い戦い抜いた帝国軍少将ノエルと
の戦いで負った傷である。
だが、止まれない。
痛みを堪え前に進むアドリーに言い知れぬ
不穏とも呼ぶべき不安が影を落とした。
反乱軍参謀アドリーvs革命軍幹部ルナは
アドリーの勝利で幕を閉じる。
革命軍幹部ルナは、戦線離脱。
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