RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

文字の大きさ
上 下
382 / 729
第九編第四章 此の国の護り神

流浪人の足跡

しおりを挟む





十八の頃に、ロードは一人となった。

そして、其処から二年、自身の素性を隠して
国王である父親との再会を果たす為に唯一人
ロードは流浪人となって流れた。

今となれば其の二年ではなく街の名前の通り
に始まりの街コミンチャーレの長屋町で知り
合ったシャーレとの出逢いが本当のロードの
旅の始まりを告げて居たのかもしれない。

そして、其の儘、コミンチャーレ内の市場町
カントでポアラとの出逢いを果たし三人での
旅が幕を開けて行く。

光の街セイントピアではまたも運命の出逢い
がロードを待ち受けていた。

今なら言葉に出来る。

自身も本当なら王族の王子として生きて行く
筈だった人間だからこそ其の運命と向き合い
ながら生きて行くシェリーに共感を覚えた。

此の経緯がロードとシェリーの繋がりとなり
今此の時を迎えて行ったのだ。

だが、道は困難を極めた。

仲間や救援が無くてはロードは此の旅の中で
何度死んでいたのだろうか、一人のチカラで
此の時代と向き合い戦い抜く者達に勝った事
など彼には無いのだから。

悔しさや不甲斐無さは誰よりも感じていた。

だが、護りたいという想いに嘘は無い。

ランスやガスタの様に国王である父親や未だ
不明点の多い母親との別れから自身を育てる
為に表と裏で動いてくれていた人間への恩を
忘れる様な人間では無いからだ。

強くなって、恩返しがしたい。

そして、此の旅で出来た“友達”や“ライバル”
そんな言葉を投げ掛けてくれた人間達の顔が
順番にロードの頭の中を駆け巡る。



『どんな状況でも“己を信じる事じゃ”奮い立たせるんじゃ己を…其れは自分自身にしか出来ん…!』


風の街で出逢ったロニーの父親ゲイツの言葉
がロードに立ち上がる勇気を与える。



『若き世代が創り上げる未来サキ…見守りましょう…時に先導しましょう…次の時代をッ!!』



レザノフが掛けてくれた期待がロードの顔を
上げるのにチカラをくれる。



『こっからはワイ等はライバルや…!』



シグマの言葉がロードの負けん気を体内から
呼び覚ます様に滾らせる。



『仲間とは何だッ!?こうやって辛い時に寄り添えるのが仲間だろうッ!?』


『えへへっ…そのための“仲間”や“友達”でしょっ…?』



シャーレとポアラの勇気ある涙ながらの言葉
がロードの背中を押してくれる。



『明けない夜はありません』



そして、シェリーが放った其の言葉がロード
の瞳に真紅の炎を宿らせる。



「流浪人になってからは…ずっと一人で…暗い道を歩いてきた…だから感じた…この先に…光なんかさしてこないんだろうって…歩くのが怖くなった…進むのを止めたくなった…」



突如として立ち上がり身体はボロボロのまま
で言葉と瞳にチカラを宿す眼前のロードの姿
にグレイはふと動きを止める。

そして、ロードは言葉を続ける。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

処理中です...