RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第九篇第三章 ポルナダベトルの戦い

混沌が誘う未知

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「あの男が…ロードを護る…?」


「なにそれっ…えっ?味方って事…?」


「いや…そんな事…やべぇ…無理だ…ワケ解らなすぎるっつーの…」



ロード達の頭に浮かんだハテナは簡単には
振り払えそうも無いモノとなった。



「フフフ…此の任務は…私にとって外せない…ガルフ等の捕縛を狙えば…いつだって彼が現れる…だから其の度に…私が止めて来たのだ…」


「其の依頼主は誰なのである…?」



リゼアの問い掛けは誰もが気になっていた
部分であり、一体誰がロードの守護をディル
に依頼したのであろうか。

其の真相がディルから聞けるのか、此の場に
集った全員が耳を澄まして黙り込む。

そして、ディルが口を開く。



「フフフ…依頼主は…“アラネア”だ…」



ディルの口から語られた依頼主の名を聞いて
ロードは緩りと首を傾げて行く。



「アラネア…?」


「ロード…知ってる名か…?」


「……いや、聞いたことねぇ名前だ…なんでそいつが…俺を護れって依頼を…?」



ロード、シャーレ、ポアラ、そしてソフィア
は“アラネア”という名前に聞き覚えが無く
ディルを注視していたが其の名前に唯一反応
を見せたのはリゼアだった。



「アラネアが…そうか…もしや…。あの日の出来事であるか…」


「フフフ…理解してくれた様で何よりだ…」


「済まぬ、ソフィア…其の名前が出たからには某も…ディルの任務を優先する…何があっても…ロードという童を傷付けてはならぬのである…」


「リゼア…貴方までなの…?」



何かを押し殺す様に俯いて唇を噛んだリゼア
の表情を見てソフィアも口を噤む。

そして、リゼアとソフィアからロード達に
向けられていた殺気が消えて行くのだった。

だが、疑問は解決していない。

ロードは平静を取り戻せていない胸中のまま
ディルに向けて言葉を飛ばして行く。



「なあ…アンタ…頼むから解る様に説明してくれッ…!アラネアって誰だッ!?何で俺を護るなんて依頼を受けたッ!?」



ロードの心境は至極、単純明快だった。

眼前に居るディルの意図が読めない、護ると
言われても敵だと認識していた其の男への
不可解な想いは消えないどころか増して行く
一方でしか無かった。

返答が戻って来ないディルに対してロードは
更なる問い掛けを飛ばし続ける。



「ガスタに言われてた…敵か味方かって…これが関係してんのかッ!?なあッ…答えろよッ!?ニャロウ…!!」


「フフフ…未だ時は来ていない…其れは明かすには…ロード…お前が本当の意味で自身のルーツを…知った時だ…!」


「……本当のルーツ…?は…?これ以上何があるってんだよ…俺は…俺には…まだなんか残ってるってのか…?」



仲間に向け自身のルーツを明かし心の中を
晴れやかな空へと変えたロードだったが今の
口振りを聞くに未だ明かされないロードの心
の空に暗雲が蔓延る事を示唆していた。
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