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第九編第二章 真実の声
スネイクvsリゼア
しおりを挟む川を挟んで対峙していた裏帝軍のスネイクと
死蜘蛛狂天リゼア、両者が地面を強く蹴って
川の丁度中央の空中でぶつかり合う。
互いに授かりしは大地のギフト。
スネイクは朽葉色(朽ちた葉の様な茶色)の
オーラを纏いリゼアは黄蘗色(緑みのある
明るい黄色)のオーラを纏うと互いが其の手
に握る武器にギフトを込める。
空中で振り下ろしたリゼアの鉞をスネイクは
己の鞭で捌き切り細長い体躯を華麗に舞わせ
回し蹴りを放つがリゼアの拳が其れを相殺し
交差する様に逆の対岸に降り立つ。
だが、異変を感じ取ったのはリゼアだった。
降り立った対岸の地面が大地のギフトの特性
“粘土”によりグニャグニャに変化をすると足
を取られてしまった。
其のリゼアを背後からスネイクがまたしても
対岸へ向けて跳び上がり鞭を触手の様に鋭く
伸ばして攻め立てる。
しかし、何とか背後へ振った鉞からリゼアの
大地のギフトの得意特性“振動”が空中に対し
作用をするとスネイクは空中でよろめく。
互いのギフトの特性を上手く活用しピンチと
チャンスを交互に潰し合って見せた。
「いやはや…流石は傭兵武族・死蜘蛛狂天の三大幹部にして…今や二人しか居ない組織の古株と言った所ですね…実力は折り紙付きか…!」
「此の程度が某の実力であると…?冗談は止めにし給うのである。滅せられたく無ければであるが…!」
「いやはや…手厳しい。では改めて此処からが本番と行きましょう…」
「そう来るのであれば…心置きなく滅してくれよう…。某の覚醒を持ってな…」
リゼアが己の波動でスネイクの特性“粘土”を
打ち破り、振り返るとそう言ってのける。
スネイクも迎え撃つと言った姿勢を見せつつ
体内の波動を一気に解放して行った。
「大地覚醒…“毒睨豪蛇”…!」
「大地覚醒…“猛破壊角”…!」
互いが覚醒のステージへと進む。
身体が岩肌の様に刺々しく変化を遂げた末に
頭と額から角を生やしたトリケラトプスの姿
へと変貌を遂げたリゼアは増えた二本の鉞を
構えてスネイクを睨み付ける。
そして、鞭が右腕と同化し意志を持った蛇に
変化すると同様に左肩がコブラの様な姿へと
此方も変貌をしたスネイクは長い舌を伸ばし
眼前のリゼアを威嚇する。
死蜘蛛狂天“角竜”リゼア・ゴードトプス。
裏帝軍“豪蛇”スネイク・ドラーアッシュ。
覚醒同士の戦いが今正に幕を開ける。
先に仕掛けたのは裏帝軍スネイク。
蛇へと変化した右腕を鞭の様に河原に這わせ
リゼアの足元を狙って行くと追い討ちを掛け
るかのように左肩のコブラをも肩から射出を
してリゼアを上空から襲う。
空と大地の両面から攻められたリゼアだった
が、二本の鉞を凌ぐのは容易では無い。
振り上げと振り下ろしを同時に行いスネイク
の一手目を完全に防ぎ切った。
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