RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第九編第二章 真実の声

未だ謎を秘めた部分

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ロードは遂に其の真実を明かした。

関係者とも言えるランスやガスタ、ガルフと
言った面々を抜けばシャーレとポアラの二人
に対してが初めての事だった。

だが、ロードは続ける。



「でも…まだなんで父さんと普通に会って話す事もできねぇのか…母さんがどこにいんのか…なんで俺は一人でいたのか…そこらへんはまだわかんねぇままなんだ…」



何故、第十五代プレジア国王の実子である
此の国の政党後継者となるロードが実世界
から其の存在が抹消された状態だったのか。

其れは裏帝軍エマの口から話されたあの仮定
が大きく関わっているのかもしれない。

ロードの母の存在である。

何かしらの内情を孕むからこそ母すらも彼の
目の前から姿を消したのだろうと推測出来る
が、何故母方のヘヴンリーという名を名乗る
許可がランスから出たのか。

まだ不透明な部分があった。

だから話したくてもこうやって謎のままに
なってしまう事も多く言い出せなかった事も
少なからず関係して来るのだろう。



「ロード…有難う。話してくれて…」


「ロードがそんな大変な立場にいたなんて知らなかったっ…苦しかったね…今まで…」



一度口を噤んだロードを前にしてシャーレと
ポアラから労いの様な言葉が掛けられる。

だが、其の労いの言葉すらロードにとっては
胸を痛めてしまう言葉になってしまう。



「なんだよ…俺は…二人を仲間と呼びながら嘘をついてたんだぜ…?なんでそんなにお前等は変わらずに優しくできんだ…」



仲間に対して“嘘”をついていたという事実が
ロードの心を更に蝕んでいっていた。

切なそうに表情を浮かべるロードを見て二人
も顔を見合わせながら表情を曇らせる。



「俺は…ッ…嘘なんかホントはだいっ嫌いなんだ…せっかく仲間ができて毎日楽しいのに…その感情が今まで言えなかった…だから辛くて…キツくて…申し訳なくて…」



シャーレとポアラの目の前でロードが緩りと
肩を震わせながら感情的になって行く。



「ロード…其れは人を傷付ける様な嘘じゃない。お前がきっと毛嫌いするのはそういった嘘なんだろう…」


「そうだよっ。ロードと一緒にいればアナタの性格は流石に把握してるって…だから心配しないで…?」


「お前等…ッ…でもよ…俺が本当のコトを言ったら…お前等と離れ離れになるかもしんねぇと思ってた…」



ロードの一言にシャーレとポアラが固まる。

そして数秒の沈黙の後でシャーレがロードに
対して静かに問い掛けるのだった。



「何故、離れ離れになると?」



其の言葉にロードが静かに口を開く。



「なんでって…俺がこの旅で追い求めてんのは…政府の闇みてぇなモンなのかもしんねぇだろ?だから…さすがにデカすぎるモン相手にしたら…お前等だって…俺と一緒にいんのが辛くなるかもしんねぇなってよ…」



そう言葉を結んだロードを前にしてシャーレ
が穏やかだった表情を一変させた。
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