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第九編第二章 真実の声
明かされし真実
しおりを挟む「悪ィ…どっから話そうか…」
そう言うとグラセ・カラステの門の前で三人
は立ち尽くしたまま動きを止める。
勿論、要因はロードが言い淀んだ事。
だが、其れに対して言葉を言い挟む程、野暮
な真似をシャーレとポアラがする事は無く
沈黙の時間が三人を包む。
そして、遂にロードが言葉を述べる。
「まどろっこしいのはやっぱり苦手だ…結論だけど…俺の父親はあの裏帝軍のエマってヤツが言ってた様に…国の王様なんだ…」
ロードが遂に告げた其の真実にシャーレと
ポアラは「やはり」と言った表情ながらまた
違った驚きを隠せずに居た。
「俺は…父さんの居場所は流石にわかってた…だいたい王都の城にいるからよ…だけどランスからケーニッヒって言う名前を名乗る事を禁じられて…その理由がわかってねぇから会いになんていけずにいた…」
ロードの本名はロード・ヘヴンリーでは無く
此の国の王家の名のロード・ケーニッヒが
正確な名前であり正当な王位継承者だった。
だが、ロードがゆっくりと言葉を選びながら
話を続けて行く中で其の名は国王の関係者の
ランス・テラモーノから禁じられた。
では、ヘヴンリーという名が何処から来たか
其れは、ロードの母方の名前だ。
ランスは父親である国王と同じケーニッヒの
名を名乗る事は禁じヘヴンリーという名を
名乗らせながら十三年もの間ロードを表舞台
に出ない様にひた隠しにしていた。
そして、今から二年前に何かが起きた。
此の事でランスは他の二人と同様に行方を
くらませる必要があったのかもしれない。
一人になったロードは何故、自分の本当の名
を名乗れないのか其の真相を探しに流浪人と
なって此の国を彷徨い歩いていたワケだ。
だが、ランスとの約束は守り抜いていた。
ケーニッヒという名は無乗らず特に人との
関わりは断ちながら只の流浪人として行く
当ては無く風の流れのまま歩いて来た。
そして、何の手掛かりも無いままに二年が
経過した頃、始まりの街コミンチャーレの
長屋町でシャーレ・スティーバと出逢う。
まさか旅を共にするとも考えていなかった。
其処からカントという町の拳術道場に於いて
ポアラ・セルヴァンテスとも出逢い三人は
旅を共にして行くのだが此処からはあれだけ
人との接触を避けて来ていたロードにとって
世界が百八十度ぐるんと回転する程目の前の
景色が変わって行くのだった。
此処からは人との出逢い、接触が増えた。
光の街セイントピアで出逢い、三人の旅に
異様な程の刺激をもたらす事になったのは
バルモア王家の姫君シェリー・ノスタルジア
であり護衛隊長レザノフ・スタールマンとも
心を通わせ更にはシグマ・オルフェアスとの
出逢いから旅は大所帯の六人。
信頼した仲間がいる、其れはとても心に安堵
をもたらすモノであったが同時にロードには
“真実”を言えないもどかしさもあった。
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