RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第九編第二章 真実の声

真実の扉の一歩前

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火の街メルフレアのポルナダベトルという
大きな活火山の麓の里グラセ・カラステの
外れへと歩むロードとガルフ。

間も無く里の出口に到達するという所で目の
前に映し出された里の門を指差してガルフが
緩りとロードに向けて口を開いた。



「俺は席を外すが、近くに居る。あの門で待て…確り相手の話に耳を傾けろよ…」


「ん?あ、ああ…仲間って俺のだよな?アンタ…言葉がたりてねぇ気がすんぞ…」



未だに状況が掴めていないロードの肩をポン
と叩いてガルフはまたも無言で去る。

溜息を吐いたロードは門の梁に背中を預けて
其の場で待ち始める事数分を経て里の外側で
ロードを呼ぶ声が聞こえ始める。



「……ッド!!」


「ロードッ!!」



段々と鮮明に聴こえて来たのは二人組の男女
の声であり其の姿にロードは表情を緩める。



「シャーレッ!ポアラッ!」


「無事で良かった…急流に呑まれた時はどうなるかと…」


「いや、シャーレ。俺なんかより…ポアラのそのケガはなんだよッ!」


「えへへっ。ちょっと無茶しちゃったっ」


「たくっ。無理しねぇで寝てろよな?」


「いやロード。君がポアラを心配するのは今の所早いかもしれないかもね」


「んっ?なんで?」



ちんぷんかんぷんとばかりに表情を曇らせた
ロードを見てポアラが怪我だらけの身体で
ピースサインを作り笑顔を見せる。

するとシャーレが何やらロードに耳打ちを
した瞬間にロードの表情が一変する。



「なにーッ!?ポアラもか、覚醒をッ!?」


「まあねぇっ。お先にぃ」


「ニャロウ…また先越されたのかよッ」



ロードは悔しそうに肩を落としているのだが
そう言えばとばかりに顔を上げる。



「なあ、シェリーたちはどうした?」


「ああ、其れなら…」



シャーレはロードに事の顛末を説明する。

シャーレ達の元に突如として現れた森の街
フォレストールに在る孤児村ピースハウスの
代表であるザック・トニーキース。

彼がロードを助けたガルフと密に連絡を取り
合う事でロード側もシャーレ、ポアラ達側も
こうして無事に再会出来た事。

そして、とある事情からシェリー姫と護衛の
レザノフ、シグマは此処には居ない事。

全てをロードに打ち明けた。



「ふぅ…無事ならなんでもいいや。まあ、心配掛けちまったのは俺の方もなんだけど…」



ロードは肩で息をした後シャーレとポアラに
目を向けて一つの決心をした。



「なあ。シャーレ、ポアラ…裏帝軍のヤツが言ってた話…お前等には本当の事を話そうと思う…」



ロードの突然の言葉にシャーレとポアラは遂
に来たかとばかりに緊張感を漂わせる。

訊きたくないと言えば嘘になるし忘れていた
と言うのもまた違う所にあった。

だが、中々二人からは其の話は切り出すのは
難しいモノだったのだろう。

シャーレとポアラも意を決して頷いた。
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