338 / 729
第八篇第四章 許されざる疑念
許されざる者
しおりを挟む「そん産まれた赤子が君やなかかと今…政府は目ばつけた…第十五代国王は君ん父親やなかかな…?ロード君…」
エマの一言にロードの背後に居たシャーレ達
に激震が走るかの様に表情が引き攣る。
此の仮定が本当だとしたらロードが探し求め
て居た両親は国王と其の妻となる。
そして、ロードは其の血を引き継ぐプレジア
王家の正当な後継者という事にもなるのだ。
「…身に覚えがねぇな…全部…仮定の話なんだろ…?」
「まあ…そうなんやけど。もう一つ…君がもし国王ん息子やとしたらなんでそん正体ば隠すんか…宰相ガズナは今…君ん母親ば追うとうばい…?ひた隠す程ん重大ななにかばからった君と君ん母ん存在ば隠す国王…ひっかかるよね?」
仮定の話をしてロードから何かを得ようと
するエマの魂胆は見え見えだった。
だからこそロードに常に問い掛ける。
其の反応から何かを探ろうとしていたエマは
見透かしたかの様にニヤリと笑う。
「なんなんだ…ニャロウが…!知らねぇって言ってんだろが…!」
「そんはらかく姿が仮定ば着々と真実へ繋げて行く。君は隠し事が下手なんやなあ…」
少し小馬鹿にした様なエマの一言にロードは
遂に平静を失い背負った刀の柄に手を掛けて
抜刀すると一気に地面を蹴った。
「待てッ!ロードッ!!」
「うるせェ!!口も手も出すんじゃねぇぞッ!!」
シャーレの静止を振り切ったロードはエマの
頭上から刀を一気に振り下ろすがエマは背に
掛けていた槍で其の攻撃を受け止める。
「余裕はどこしゃぃやら。うちがした話…否定する所がのうて焦ってしもうたかな?」
「なにもかも…見透かしたみたいに言うんじゃねぇよッ!!」
ロードが纏った真紅の炎が唸りを上げる。
業火のギフトの練度が更に上がり始めた事を
示す其の炎の凄まじさに周りは驚きの表情を
浮かべて言葉を失っていた。
だが、エマは其の炎の刀を槍を滑らせる様に
捌いて弾くと、ロードの肩を蹴って背後へと
跳躍し空中で槍を突き出し青柳色(春の葉の
様な強い黄緑色)の雷を先端から射出する。
其の雷は断崖に立つロードの足元を襲う。
其れを跳躍し躱したロードの目の前にエマが
一気に迫ると槍を頭上から振り下ろした。
「君んお仲間入れたらうちが不利なんや…後で追うけん愉しみにしとってな…?」
エマの行動は予測不能だった。
エマは何とロードを雷を纏った槍の一撃で
断崖下の急流へと叩き落としたのだった。
迅雷のギフトの特性“麻痺”と此度の仮定の話
がロードにもたらした不安定な感情が相まり
背中からロードは断崖下へと堕ちる。
抵抗する程の余裕は無かったのだ。
其の光景を見たシャーレ達はロードを追って
断崖絶壁へと慌てて駆け寄り始め膝を着いて
シェリーが届く筈も無い其の手を伸ばす。
「ロード様ぁぁぁぁぁッッ!!!!」
シェリーの絶叫が断崖絶壁に木霊する。
50
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる