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第八篇第四章 許されざる疑念
不確かな仮定
しおりを挟む「……国王…?あのランス達は国王の秘密を握っていた…?」
「国王ってプレジアのケーニッヒ王家の事だよねっ?」
「……ええ。かつては我がバルモアとも兄弟国として繋がりを持っていたプレジアに於いて三百年程の王座に君臨するケーニッヒ王家の事でしょう…」
「なんでそない大物の秘密を握っとるっちゅう連中を…コイツが探しとるねん…」
「(ロード様…貴方は一体…?)」
ロードの背後でシャーレ達がざわつき始めた
のを見るとエマがニヤリと笑う。
「お仲間達も知らんやったっていう反応かな、そりゃ。あーね…あん人が言いよった仮定ん話が本当やったら…そげん簡単に言えるような内容やなかもんね…」
エマの所属するのは政府直下の裏帝軍。
ランス達を国家指名手配としたのは政府の
人間である事から何かを探っているのは解る
のだがどうにもまだ話が見えて来ない。
「ニャロウ…さっきからアンタは何がしてぇのかわかんねぇよ…!」
ロードが明らかにイラついた表情を見せ始め
ると笑みを絶やさずエマが続けて行く。
「それなら今からする話は政府んとあるお方がはじき出した仮定んお話…真実かどうかはうちらにもわからん。ランスばはじめとした三人の国家指名手配ん人間達が握る国王ん秘密が本当やとしたらプレジアは新時代へと突入することになるとよ…」
エマはそのまま緩りと続ける。
ランスとガスタ同様に国王がひた隠すとある
秘密を巡って追われている人間は後一人だけ
存在しているとエマが説明する。
其のとある秘密とはプレジアという国が進む
未来の中で重大な別れ道となる可能性が高く
其れがエマの発した新時代という言葉だ。
シャーレ達は其の話に耳を傾けながら目の前
に立つロードの関係性にハラハラとした心情
を併せ持って気が気が無い様子だった。
そして、エマは仮定の中で此の話の本題へと
言葉を紡ぎ繋げて行くのだった。
プレジア国ケーニッヒ王家第十五代国王。
彼には王家に於いての年表には空白となった
時間が存在しているそうだ。
其れは今から二十年前程の時期にある。
現在は第十五代としてケーニッヒ王家を継ぎ
国家のシンボルとして立つ人間は闇に葬った
かの様な空白を持ち、其れがランス達が持つ
秘密に繋がるのではとの仮定を得た。
更に其の時期に第十五代国王には関係を持つ
事となった女性の存在が居た事も突き止める
事に政府の人間は成功している。
国王の空白を探る中で浮かび上がったのは
国家の行く末を左右する一人の人間の存在。
「そん時期に産まれた一人の赤子がおったんやなかかと…政府んトップ…宰相ガズナは疑いばもった…これが本当ならこん仮定ん話に全て辻褄が合うらしいっちゃん…」
エマは其の仮定の話を言の葉に変えながら
目の前のロードをじっと見つめていた。
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