RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

文字の大きさ
上 下
330 / 729
第八篇第三章 プレジアの宰相

ギフト戦術最終奥義“絶技”

しおりを挟む





振り上げられたドーマンの刀に鉄鏡のギフト
のオーラが惜しみ無く注ぎ込まれて行く。





「鉄鏡絶技…“大義斬鉄剣たいぎざんてつけん”ッッッ!!!!」





金糸雀色のオーラを纏った刀を振り下ろすと
其のオーラ共々圧倒的な威圧を放ちながら
ウィルフィンに向けて鋼の斬撃が飛ぶ。

其の斬撃がウィルフィンへ襲い掛かる。

そして真っ向から黒き風を纏いながら斬撃を
ウィルフィンの刀の一閃が受け止める。





「ぐっ…俺はもう負ける訳には行かない…負ける訳には…ッ…行かないんだッ!!」




斬撃を受け止めたウィルフィンの両手から
吹き出す鮮血など諸共せずにウィルフィンは
其の斬撃を自身の一振りで弾き切った。



「まさか…拙者の大義も此の程度という訳か…無念…ッ…」



フラついたドーマンに向け黒き翼を羽撃かせ
ウィルフィンの一閃が迫り来る。

そして、ドーマンの腹部を流れる薙ぎ払いに
依って斬り裂いたウィルフィンの動きが彼の
背後でピタリと止まった。

口から血を吐き出したドーマンの身体から
覚醒が消え失せるかの様に元へと戻る。

其れに併せてウィルフィンは黒刀を緩りと鞘
へ納めようとする動きに合わせて彼の覚醒も
解かれて行くのだった。



「貴様の覚悟もさぞ重かろうが…俺達もまだ譲る事の出来ない志がある…今回は俺の勝ちだ…ニッキー・ドーマン…貴様の剣が纏う覚悟…しかと受け取った…!」



ウィルフィンの納刀と同時にゆらりドーマン
の身体はコンクリートの地面に伏せる様に
倒れて行くのだった。

しかし、其の身体は蒼き稲妻を纏う女性の腕
に支えられ倒れる事はしなかった。



「……良く時間を稼いでくれました…。流石はドーマン少将です…後は私に任せて下さい」



其の女性はドーマンの身体を担ぐと素早く
脇道へと跳び仰向けに彼の身体を寝かせると
緩りと立ち上がりエルヴィスとウィルフィン
に向けて一瞥ずつをくれる。



「…新手か。確か貴様は、帝国軍中将マリア・シリウス…あの男と同列の将官だな…」


「ドーマン少将のお陰で追いつく事が出来た。今度は私が貴方達を逃がさない…!」



一度は納刀した刀の柄に手を掛けようと其の
手を伸ばすウィルフィンに静止の声が飛ぶ。



「待った…ウィルフィン。まさか二戦共アンタが持ってくつもりじゃねぇだろうな?」



背後から緩りと歩みを進めて来るエルヴィス
をそっと肩越しに一瞥したウィルフィンは口
を開いて言葉を述べる。



「心配するな…まだやれるさ」


「あのな、そんな事は知ってるっつーの。俺が言いてぇのは“二戦共アンタが持ってくつもりか?”って事だ」


「…フッ…そうか…」



静かに笑みを浮かべたウィルフィンは腰元の
刀から手を退くとエルヴィスの背後へと回り
総長の魅せる背中を見遣る。



「俺だってな…たまには戦っておかねぇと錆び付いて行っちまうだろ?」



ウィルフィンに背中越しに問い掛けた反乱軍
総長エルヴィスはニヤリと笑みを浮かべた。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

処理中です...