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第八篇第三章 プレジアの宰相
ギフト戦術最終奥義“絶技”
しおりを挟む振り上げられたドーマンの刀に鉄鏡のギフト
のオーラが惜しみ無く注ぎ込まれて行く。
「鉄鏡絶技…“大義斬鉄剣”ッッッ!!!!」
金糸雀色のオーラを纏った刀を振り下ろすと
其のオーラ共々圧倒的な威圧を放ちながら
ウィルフィンに向けて鋼の斬撃が飛ぶ。
其の斬撃がウィルフィンへ襲い掛かる。
そして真っ向から黒き風を纏いながら斬撃を
ウィルフィンの刀の一閃が受け止める。
「ぐっ…俺はもう負ける訳には行かない…負ける訳には…ッ…行かないんだッ!!」
斬撃を受け止めたウィルフィンの両手から
吹き出す鮮血など諸共せずにウィルフィンは
其の斬撃を自身の一振りで弾き切った。
「まさか…拙者の大義も此の程度という訳か…無念…ッ…」
フラついたドーマンに向け黒き翼を羽撃かせ
ウィルフィンの一閃が迫り来る。
そして、ドーマンの腹部を流れる薙ぎ払いに
依って斬り裂いたウィルフィンの動きが彼の
背後でピタリと止まった。
口から血を吐き出したドーマンの身体から
覚醒が消え失せるかの様に元へと戻る。
其れに併せてウィルフィンは黒刀を緩りと鞘
へ納めようとする動きに合わせて彼の覚醒も
解かれて行くのだった。
「貴様の覚悟もさぞ重かろうが…俺達もまだ譲る事の出来ない志がある…今回は俺の勝ちだ…ニッキー・ドーマン…貴様の剣が纏う覚悟…しかと受け取った…!」
ウィルフィンの納刀と同時にゆらりドーマン
の身体はコンクリートの地面に伏せる様に
倒れて行くのだった。
しかし、其の身体は蒼き稲妻を纏う女性の腕
に支えられ倒れる事はしなかった。
「……良く時間を稼いでくれました…。流石はドーマン少将です…後は私に任せて下さい」
其の女性はドーマンの身体を担ぐと素早く
脇道へと跳び仰向けに彼の身体を寝かせると
緩りと立ち上がりエルヴィスとウィルフィン
に向けて一瞥ずつをくれる。
「…新手か。確か貴様は、帝国軍中将マリア・シリウス…あの男と同列の将官だな…」
「ドーマン少将のお陰で追いつく事が出来た。今度は私が貴方達を逃がさない…!」
一度は納刀した刀の柄に手を掛けようと其の
手を伸ばすウィルフィンに静止の声が飛ぶ。
「待った…ウィルフィン。まさか二戦共アンタが持ってくつもりじゃねぇだろうな?」
背後から緩りと歩みを進めて来るエルヴィス
をそっと肩越しに一瞥したウィルフィンは口
を開いて言葉を述べる。
「心配するな…まだやれるさ」
「あのな、そんな事は知ってるっつーの。俺が言いてぇのは“二戦共アンタが持ってくつもりか?”って事だ」
「…フッ…そうか…」
静かに笑みを浮かべたウィルフィンは腰元の
刀から手を退くとエルヴィスの背後へと回り
総長の魅せる背中を見遣る。
「俺だってな…たまには戦っておかねぇと錆び付いて行っちまうだろ?」
ウィルフィンに背中越しに問い掛けた反乱軍
総長エルヴィスはニヤリと笑みを浮かべた。
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