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第八篇第三章 プレジアの宰相
ウィルフィンvsドーマン
しおりを挟む花弁が地面に着くと同時に両者がギフトの
チカラを解放し一気に前へと地面を蹴る。
漆黒の風を纏わせたウィルフィンと身体に
金糸雀色(少しくすみのある黄色)のオーラ
を纏うドーマンの二人の刃が鍔迫り合いを
起こして甲高い音を奏でる。
だが、其の鍔迫り合いも一瞬だった。
ウィルフィンの正面に居た筈のドーマンの姿
が突如として背後に現れる。
此れは鉄鏡のギフトの特性の一つ“反射”。
自身の動きを鏡面を用いるかの様に実態ごと
反射させる特性でありウィルフィンの背後に
現れたドーマンは本体である為に振り下ろす
其の刃は本物である。
だが、ウィルフィンは動揺などしない。
振り返りもせずに身体を真横に滑らせる様に
動き刃を回避すると身体を屈めてドーマンの
足元を自身の足で捌くと体勢を崩しつつある
ドーマンの腹部に裏拳を叩き込む。
すると、背後に飛ばされたドーマンに向けて
漆黒の風を纏うウィルフィンが一気に風の様
に素早く加速し追撃を目論む。
此れは疾風のギフトの特性の一つ“加速”。
単純な素早さを付加する特性で素早き剣撃を
得意とするウィルフィンには打ってつけとも
言えるチカラであった。
だが、ドーマンは何とか“反射”の特性で自身
を鏡面に映して追撃を回避する。
「…ふう。やはり…一筋縄では行かぬな…流石と言うべきだろう…!」
「褒めようとも何も出ない。見返りは期待するな…ニッキー・ドーマン…!」
「何もそう言っているのでは無い。此の儘の姿では何一つ勝ちの目は見えないという訳だ。ウィルフィン・フィンドール…!此処からが本番である…行くぞ…!」
ドーマンが金糸雀色のギフトと波動に包まれ
辺り一体に波紋を生み出して行く。
「鉄鏡覚醒…“仁貫剣聖”…!」
身体に金糸雀色の鉄の防具が纏われて行く。
其の上に梟の羽根が幾重にも重なり見た目は
羽根があしらわれた剣道の道着の様な姿へと
変化を遂げて行く中でドーマンは長刀を一度
地面に突き立て膝を着くと、まるで眠りの中
に居る梟の様な形となる。
此の羽根も防具も鉄鏡のギフトの恩恵を諸に
受けており攻撃を防ぐ防御に秀でた鎧となり
ドーマンの身体を支えている。
「其れが貴様の覚醒か…。義剣ニッキー・ドーマン。義を貫く正義の剣士…其の本領しかと見させて貰うぞ…!」
ウィルフィンが先に仕掛けると加速した漆黒
の風を吹き上がらせる剣技で幾重の方向から
ドーマンの身体を斬り付けて行く。
だが、全て瞳を閉じて仁王立ちするドーマン
の身体に纏われた鋼の翼を始めとした防具に
因って封じ込められウィルフィンの刀が為す
術を持たないかの様に弾かれてしまう。
「…無駄だ。拙者の防御力は此の国を支える為に日々磨き上げられている…此れが拙者の正義…とくと味合わせてやろう…!」
突如身体を反射させたドーマンが背後から
ウィルフィンに向かって斬り掛かる。
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